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管理職が知っておきたい「睡眠と労働安全」

〜生産性・安全性・人材定着に直結する“見えないリスク”〜

職場における労働災害やヒューマンエラーの多くは、実は「睡眠」と密接に関係しています。
にもかかわらず、睡眠はメンタルヘルスほど表面化しにくく、管理職でもその重要性を見落としてしまうことが少なくありません。
本記事では、管理職が知っておくべき睡眠と労働安全の関係を、産業医の視点から分かりやすく解説します。効果的な対策や職場づくりのポイントも盛り込み、明日から実践できる内容にしました。

1. なぜ「睡眠」が労働安全に関係するのか

判断力と注意力が低下し、事故リスクが急増

睡眠不足は、認知機能を大幅に低下させます。
具体的には以下のような影響が確認されています。

  • 判断スピードの低下
  • 危険回避能力の低下
  • 注意力の散漫化
  • 記憶力低下による手順ミス

睡眠時間が6時間未満の状態が数日続くと、脳のパフォーマンスは酒気帯び状態と同程度まで落ちるという研究もあります。これは、運転業務や機械操作、確認作業が多い職場では重大なリスクとなります。

睡眠不足は慢性化しやすい

特徴的なのは、本人が「自分は眠れている」と思い込みやすいことです。
たとえ実質的に睡眠が不足していても、脳は慣れてしまいパフォーマンス低下に自覚が生まれにくいため、管理職の側から早めにリスクを察知する必要があります。

2. 睡眠不足が引き起こす職場の具体的なリスク

①ヒューマンエラー増加

製造業、物流、医療、建設業など、少しの判断ミスが重大事故につながりかねない現場では、睡眠不足の影響は特に顕著です。

②交通事故リスクの上昇

営業職・配送職など車両を使用する労働者では、睡眠不足は事故率を大幅に高めます。
マイクロスリープ(数秒間の意識途切れ)は高速道路や深夜の運転中に起こりやすく、重大事故の一因となります。

③生産性低下・品質低下

知的業務でも、判断の質やスピードが落ちることで、検討作業のミスや納期遅延、クレーム発生などにつながり、組織全体の生産性を損ねます。

④メンタル不調のトリガーに

睡眠とメンタルの関係は非常に強く、不眠が続くとストレス耐性が低下し、うつ症状や適応障害を発症しやすくなります。
労働安全の観点だけでなく、メンタルヘルスの観点からも睡眠ケアは欠かせません。

3. 管理職が知るべき「睡眠不足のサイン」

睡眠不足は部下が自覚できないことが多いため、管理職が以下のサインを見逃さないことが重要です。

  • ぼんやりしている瞬間が増えた
  • 作業ミスや指示漏れが増加
  • 朝の遅刻・欠勤が増える
  • 日中に目をこする、あくびが多い
  • 些細なことでイライラする
  • 表情に疲労感がある

これらはメンタル不調の初期サインでもありますが、睡眠不足が背景にあることも多いため、早めに声をかけることが職場の安全に直結します。

4. 睡眠改善に向けて管理職が取り組むべきこと

①過重労働の早期発見と対策

長時間労働は睡眠不足の最大の原因です。
月の時間外労働が増えている社員には早めにアラートをかけ、業務量の調整や業務整理を行いましょう。

②勤務間インターバルの確保

勤務終了から次の勤務開始までに十分な休息時間(理想は11時間以上)を確保することで、睡眠時間を守りやすくなります。
変形労働制やシフト制の職場では特に重要な視点です。

③睡眠教育の実施

「睡眠の重要性」「質を高める方法」「自律神経との関係」などを学ぶだけで、行動変容が起こりやすくなります。
研修や産業医講話は効果的です。

④管理職自身が“良い睡眠”を実践

管理職が夜遅くまでメールを返すと、部下が真似してしまいます。
働き方のモデルとして、適切な休息をとる姿勢を示すことが、職場全体の安全文化につながります。

5. 職場でできる「睡眠の質を高める工夫」

①残業を減らす仕組みづくり

会議時間の削減、権限委譲、タスクの可視化など、組織的な取り組みが睡眠確保につながります。

②健康診断後のフォロー

睡眠に関する項目(高血圧・肥満・生活習慣病など)の異常値は、睡眠トラブルのサインであることも多いため、産業医と連携してフォローしましょう。

③昼休みの短時間仮眠の推奨

10〜20分の仮眠は、午後のパフォーマンスを飛躍的に改善します。
長すぎる仮眠は逆効果ですが、短時間の仮眠は安全性向上に寄与します。

④ブルーライト対策や職場照明の調整

夜遅い時間のPC・スマホ使用は睡眠の質を低下させます。
会議や業務のスケジュールを工夫して、夜間の作業を減らすことも効果的です。

6. 睡眠と労働安全の関係を強化するための制度活用

①労働安全衛生法に基づく取り組み

過重労働面談や健康診断後の指導は、睡眠の問題に早めに気づくチャンスになります。

②ストレスチェック制度の活用

睡眠項目はストレス状態と強く関係するため、結果を全社の健康リスク分析に活かすことができます。

③産業医・保健師との連携

管理職一人で抱え込まず、産業医に相談することで
「睡眠障害の可能性」
「疾病の兆候」
「勤務調整の必要性」
など専門的な判断を得られます。

7. 睡眠を重視する企業は「安全」も「生産性」も高まる

国内外の研究では、睡眠を改善した企業は

  • 労働災害の減少
  • 生産性の向上
  • 離職率の低下
  • 医療費の削減
    などの効果が確認されています。

睡眠は「個人の問題」ではなく「組織の資産」です。
管理職の適切な理解と対応が、職場全体の安全文化を高め、働く人の健康と企業の競争力を守ります。

まとめ

睡眠と労働安全は密接に結びついている

睡眠不足は判断ミスや事故を引き起こし、職場の安全を脅かします。
管理職は

  • 睡眠不足のサインを見逃さない
  • 過重労働を早期に調整する
  • 睡眠教育や安全文化を推進する
  • 産業医・保健師と連携する
    ことが求められます。

株式会社NoLaBoでは、産業医による睡眠指導・健康講話・職場改善支援を通じて、企業の健康経営と労働安全をサポートしています。
睡眠に関するご相談や職場改善をご希望の場合は、お気軽にお問い合わせください。

株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平
野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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