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職場での救急対応訓練の実施方法|AED・心肺蘇生(CPR)の重要性と効果的な研修プログラム

救急車 アイキャッチ

もし職場で社員が急に苦しみだしたら、みなさんどのように対応しますか?すぐに救急を呼ぶ必要があれば、もちろん連絡する必要はありますが、救急車を待っている間に呼吸や心臓の動きがとまれば皆さんが対応しなければなりません。

今回は「職場での救急対応訓練の実施方法|AED・心肺蘇生(CPR)の重要性と効果的な研修プログラム」をテーマに記事を作成しました。本日から実践できる内容なのでぜひ最後までご覧ください!

職場で救急対応訓練を実施する重要性

日本における心停止の現状

日本では毎年約7~8万人が心停止を起こし、その多くが職場や公共の場で発生しています。救急車の到着までに約8~10分かかることが一般的ですが、心停止後の生存率は時間とともに急激に低下します。

特に「心停止から1分以内にCPR(心肺蘇生)を開始し、3分以内にAEDを使用すれば生存率は約70%」と言われており、職場での迅速な対応が命を救う鍵となります。

法的義務と企業の責任

企業には、労働安全衛生法に基づき、従業員の健康と安全を確保する義務があります。また、ISO 45001(労働安全衛生マネジメントシステム)を導入する企業が増えており、職場での救急対応訓練は企業の社会的責任(CSR)の一環としても重要視されています。

救急対応訓練がもたらすメリット

  • 従業員の安全意識が向上する
  • 職場での事故・急病時に冷静な対応ができる
  • 企業の安全管理レベル向上に貢献する
  • 社員の家族や取引先でも役立つスキルが身につく

救急対応訓練の基本要素(AED・心肺蘇生など)

AED(自動体外式除細動器)の使い方

AEDは心停止の際に電気ショックを与え、心臓の正常なリズムを取り戻すための装置です。使用手順は以下の通りです。

  1. 意識と呼吸を確認する(反応がない、正常な呼吸がない場合は心停止を疑う)
  2. 119番通報とAEDの手配を行う
  3. 胸骨圧迫(CPR)を開始する
  4. AEDの電極パッドを貼り、音声指示に従う
  5. 電気ショックが必要か確認し、指示があればボタンを押す
  6. ショック後も心肺蘇生を続ける

心肺蘇生(CPR)の実施方法

心肺蘇生(CPR)は、胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせた救命処置です。

  • 成人の場合:胸骨圧迫30回+人工呼吸2回を繰り返す(30:2)
  • 圧迫の深さ:約5~6cm、テンポは1分間に100~120回
  • 救助者が1人の場合は胸骨圧迫を優先し、人工呼吸ができない場合でも圧迫のみを継続する

窒息時の対応

①背部叩打法

食事中や職場での作業中に窒息が発生することがあります。その場合、背部叩打法を用いて異物を除去します。

  1. 窒息した人のやや後ろまたは横に立ち、手のひらの付け根で肩甲骨の間を強く叩く
  2.  異物が除去されるまで5回を目安に繰り返す 
  3.  意識がなくなった場合はCPR(心肺蘇生)を開始する

②ハイムリック法

背部叩打法で除去できないときはハイムリック法(腹部突き上げ法)を用いて異物を除去します。

  1. 背後から両腕を回し、へその上あたりに拳を当てる
  2. 素早く強く上方向に突き上げる動作を繰り返す
  3. 意識がなくなった場合はCPRを開始する

職場での効果的な訓練プログラムの作成方法

訓練の頻度と対象者

  • 年1~2回の定期訓練を実施
  • 管理職、総務、救護担当者は特に重点的に訓練を受けるべき
  • 新入社員研修の一環として組み込むのも効果的

実施形式(座学+実技)

  1. 座学(理論編):AEDの仕組み、心停止のメカニズム、救命処置の重要性を学ぶ
  2. 実技(演習編):ダミー人形を使った心肺蘇生法の練習、AEDの実践使用訓練

訓練の実施手順と成功のポイント

訓練の流れ

  1. オリエンテーション(目的の説明)
  2. 座学(理論学習)
  3. 実技演習(ロールプレイ形式で実施)
  4. フィードバックと質疑応答

成功のポイント

  • 現場のシミュレーションを行う(実際の職場環境で訓練)
  • 役割を決めて実践的に行う(119番通報担当、AED使用担当など)
  • 反復練習を重視し、定期的に復習する

救急対応訓練を定着させるための工夫

社内ポスターやマニュアルを整備する

  • AEDの設置場所を明確にする
  • 緊急時の対応フローを見やすい場所に掲示

Eラーニングや動画教材を活用する

  • 従業員が自習できる環境を整える
  • 実際の救急事例を学ぶことで理解を深める

実際のケースを想定した訓練を行う

  • 「社内で突然倒れる」というシナリオを設定し、実際に通報から救命処置までを実践する

まとめ

職場での救急対応訓練(AED・心肺蘇生)は、従業員の安全を守るために不可欠な取り組みです。定期的な訓練を通じて、万が一の事態に備えましょう。企業としても、救命スキルの習得を推奨し、安全な職場環境を整えることが重要です。

【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平

野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

【各種資格】

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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