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健康診断の「要再検査」を放置すると企業に何が起きるのか

――法的リスク・経営リスク・人的リスクを徹底解説――

企業が毎年実施している定期健康診断。その結果に「要再検査」「要精密検査」と記載されているにもかかわらず、実質的にフォローされないまま放置されているケースは少なくありません。
しかしこの放置行為は、単なる従業員個人の健康問題にとどまらず、企業経営そのものを揺るがす重大なリスクへと発展する可能性があります。

本記事では、健康診断の「要再検査」を放置した場合に企業に何が起きるのかを、法令・労務・経営の観点から体系的に解説します。産業保健体制の見直しを検討している経営者・人事労務担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

「要再検査」とは何か?企業が誤解しやすいポイント

健康診断結果における「要再検査」「要精密検査」とは、現時点で重大な疾患が確定しているわけではないが、医学的に追加検査が必要と判断された状態を指します。

企業側が陥りがちな誤解として、以下のような考え方があります。

  • 「本人の自己責任で受診すればよい」
  • 「就業可能と書いてあるから問題ない」
  • 「症状が出ていないので緊急性は低い」

しかし、この認識は法的にも実務的にも危険です。なぜなら、健康診断結果を把握した時点で、企業には一定の安全配慮義務が発生するからです。

放置による【法的リスク】―安全配慮義務違反の可能性

労働安全衛生法上の企業責任

企業は、厚生労働省が所管する労働安全衛生関連法令に基づき、以下の義務を負っています。

  • 健康診断を実施する義務
  • 結果を記録・保存する義務
  • 必要に応じて就業上の措置を講じる義務

特に重要なのが、「健康診断結果に基づく事後措置」です。
要再検査者が明らかであるにもかかわらず、医師の意見聴取や就業配慮を行わず、結果的に健康障害が発生した場合、企業の安全配慮義務違反が問われる可能性があります。

労災・訴訟リスクの顕在化

例えば以下のようなケースは、実務上も珍しくありません。

  • 高血圧・糖尿病の再検査未実施 → 脳・心疾患を発症
  • 肝機能異常の放置 → 重篤な肝疾患で長期休職
  • メンタル不調の兆候を無視 → うつ病・自殺未遂

この場合、「予見可能性」と「回避可能性」があったと判断されると、企業側の責任が認定されやすくなります。

放置による【経営リスク】―人材・生産性・ブランドへの影響

突然の休職・離職による業務停滞

要再検査を放置した結果、ある日突然「長期休職」「即時入院」となると、

  • 業務の属人化が露呈
  • 代替要員の確保コスト増大
  • チーム全体の生産性低下

といった経営インパクトが発生します。

採用・定着への悪影響

近年は「健康経営」「ウェルビーイング」を重視する求職者が増えています。
健康管理体制が不十分な企業は、

  • 離職率の上昇
  • 採用競争力の低下
  • 企業イメージの毀損

といった中長期的なブランドリスクを抱えることになります。

放置による【人的リスク】―現場マネジメントの崩壊

要再検査者が増えても対応しない職場では、次第に以下のような問題が起こります。

  • 上司が部下の体調変化に対応できない
  • 不調者への業務集中・周囲の不満
  • ハラスメント・労務トラブルの温床

結果として、職場全体の心理的安全性が低下し、組織としての健全性が損なわれます。

企業が今すぐ取るべき実務対応とは

「要再検査者」を可視化する仕組みづくり

  • 健康診断結果の集約・管理
  • 再検査未受診者の定期的な把握
  • プライバシーに配慮した運用ルール策定

医師(産業医)意見の活用

再検査の有無だけでなく、
「就業上の配慮が必要か」という観点で医師の意見を取得することが重要です。

  • 残業制限
  • 業務内容の一時的変更
  • 勤務時間・配置転換の検討

これらは、企業を守るためのリスクマネジメント施策でもあります。

健康診断フォローは「コスト」ではなく「投資」

健康診断後のフォロー体制整備は、短期的には手間やコストがかかります。
しかし、

  • 労災・訴訟リスクの低減
  • 生産性の維持・向上
  • 人材定着・企業価値向上

といった観点から見ると、極めて費用対効果の高い投資です。

まとめ ~要再検査の放置は「何もしないリスク」~

健康診断の「要再検査」を放置することは、
「何もしない」という選択肢ではなく、明確なリスクを選択している状態だと言えます。

企業として求められるのは、

  • 結果を正しく理解すること
  • 産業保健の専門家を活用すること
  • 仕組みとして継続的に運用すること

です。

株式会社NoLaBoでは、企業規模や業種に応じた実効性のある産業保健体制構築を支援しています。
健康診断結果の活用や、要再検査者対応に課題を感じている場合は、ぜひ一度ご相談ください。

株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平
野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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