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年末年始後の健康診断で異常値が出やすい理由|産業医が解説する注意点と対策

毎年1〜2月に健康診断を受けると、普段は正常だった数値が急に悪化していたという声を多く聞きます。特に、肝機能、血糖値、血圧、中性脂肪などに異常が出やすく、再検査や医療機関受診を指示されるケースも少なくありません。

本記事では、年末年始後の健康診断で異常値が出やすい理由を、産業医の視点から分かりやすく解説します。また、企業の産業保健担当者が従業員へ周知すべきポイント、従業員自身が取るべき対策についてもまとめています。

年末年始後の健康診断で異常が増えるのはなぜか

飲酒量の増加による肝機能の悪化

年末年始は忘年会や新年会、自宅での飲酒の機会が増えるため、普段よりアルコール摂取量が多くなります。アルコールは肝臓で代謝されるため、連日の飲酒により肝臓が休めず、以下の数値が上昇しやすくなります。

  • AST(GOT)
  • ALT(GPT)
  • γ-GTP(特に影響が大きい)

特にγ-GTPは飲酒量に反応しやすく、数日〜数週間の飲酒習慣の変化が顕著に表れます。このため、年末年始に飲酒が続いた直後に健康診断を受けると、肝機能異常の指摘が一気に増えるのです。

食生活の乱れによる血糖値・中性脂肪の上昇

年末年始は高カロリーの料理が並び、糖分や脂質を普段より多く摂取しがちです。

  • 揚げ物や肉料理
  • おせち料理(砂糖や塩分が高い)
  • ケーキなどのスイーツ
  • 深夜の食事

これらの習慣が短期間でも続くと、代謝が追いつかず、以下の項目に異常が出やすくなります。

  • 血糖値(空腹時血糖、HbA1c)
  • 中性脂肪(TG)
  • LDLコレステロール(悪玉)

特に中性脂肪は数日の食生活で大きく変わるため、年始の検査では急上昇するケースが多く見られます。

生活リズムの乱れによる血圧の上昇

長期休暇中は、起床時刻が遅くなり、夜更かしが増え、運動量は減少します。これにより自律神経のバランスが乱れ、血圧が上昇しやすくなります。

特に以下の習慣が血圧に影響します。

  • 睡眠不足または過眠
  • 昼夜逆転
  • 運動量の減少
  • 塩分の多い食事の継続

血圧は検査当日のコンディションにも左右されやすいため、休暇明けすぐの健康診断は高めの数値が出る傾向にあります。

体重増加に伴う指標の悪化

年末年始に体重が1〜3kg増える人は多く、体重増加はさまざまな検査項目に連動します。

  • BMI増加
  • ウエスト周囲径の上昇(メタボ基準に該当しやすくなる)
  • 血糖・脂質の悪化
  • 血圧上昇リスク

たとえ短期間の体重増加でも、代謝への負担は無視できません。

運動不足による代謝低下

気温が低い冬は、外出や運動が減りがちです。運動不足は以下に影響します。

  • 糖代謝の低下(インスリン感受性低下)
  • 中性脂肪の増加
  • 血圧上昇

年末年始の食べ過ぎと重なることで、より異常値が出やすくなります。

年末年始後の健康診断で起こりがちな問題

再検査者の急増

肝機能・脂質・血糖の異常値が増えるため、再検査や医師受診の指示が増え、産業保健スタッフの業務負荷が高くなります。

本来の健康状態が把握しにくい

年末年始という、一時的な生活習慣の乱れが検査結果に強く反映されることで、実際よりも悪い結果が出やすくなります。これにより、恒常的なリスクと一時的な変動が区別しにくくなります。

従業員の心理的負担

急な異常値は従業員の不安を強めたり、「正月に食べすぎただけだと思う」と受診を避ける原因になったりします。

企業側は適切な説明とフォローが必要です。

年末年始後の健康診断で異常値が出た場合の対応

数値の「一時的な変動」か「慢性的な異常」かを区別する

産業医として重要なのは、再検査や過去のデータと比較し、短期的な変動かどうか判断することです。

  • 過去数年の検査履歴を確認する
  • 1〜2か月後の再検査を案内する
  • 生活指導の内容を記録する

このステップを踏むことで、過剰な不安を与えることなく適切な管理ができます。

再検査は1〜2か月後が適切

年末年始の影響が落ち着くまで最低でも3〜4週間は必要です。
特に以下の項目は回復に時間がかかることがあります。

  • γ-GTP:飲酒量の影響が残りやすい
  • HbA1c:過去1〜2か月の平均血糖を反映
  • 中性脂肪:数日の調整で改善することが多いが、肥満傾向があると改善が遅れる

企業側としても、すぐに再検査を求めるのではなく、適切なタイミングで案内することで従業員の負担軽減につながります。

年始の健康診断で異常を避けるための予防策

飲酒は連日続けない

飲酒日を連続させないことで肝臓が休む時間を確保できます。
健康診断の1〜2週間前は特に節酒または禁酒を推奨します。

食事は「糖質+脂質」の組み合わせを控える

唐揚げと白米、ケーキと揚げ物など、高糖質・高脂質の組み合わせが最も数値を悪化させます。
年末年始は以下を意識すると改善できます。

  • 野菜を先に食べる
  • 夜遅い食事を避ける
  • おせち料理も量を調整する

運動量を維持する

最低でも以下のどちらかを目安にします。

  • 1日30分のウォーキング
  • 週150分の中強度運動

寒い冬ほど意識的な運動が重要です。

睡眠リズムを崩しすぎない

休暇中の生活リズムの乱れが血圧・ホルモンバランスに影響します。
起床時間がずれないよう心がけることが重要です。

まとめ ~年末年始後の健康診断は「異常が出やすい時期」~

年末年始は、飲酒・食生活・運動不足・生活リズムの乱れが重なり、健康診断の数値に大きく影響します。特に肝機能、血糖、中性脂肪、血圧などが悪化しやすく、一時的な変動で異常値が出ることは珍しくありません。

企業の産業保健担当者は、年末年始後の健康診断結果を評価する際、

  • 実際の健康リスクと一時的な変動の区別
  • 適切な再検査タイミングの案内
  • 従業員への生活指導

を行うことが重要です。

また従業員自身も、休暇中の生活習慣を整えることで異常値を予防できます。

株式会社NoLaBoでは、健康診断後のフォロー、産業医面談、生活指導など、企業の健康管理を総合的にサポートしています。年末年始の異常値対応でお困りの企業様は、ぜひお問い合わせください。

株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平
野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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