目次
~睡眠の質と健康の改善例を中心に~
「いびきがひどいと家族に言われた」
「夜中に何度も目が覚める」
「日中どうしても眠くて集中できない」
このような症状に心当たりがある方は、もしかすると「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」の可能性があります。特に中高年の方に多く見られ、日常生活の質だけでなく、将来的な健康リスクにも関わってくる重要な疾患です。
今回は、「CPAP治療のメリット」について詳しくお伝えしていきます。睡眠の質が向上することで得られる体調の変化や、病気の予防についても解説いたします。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?
SASは「Sleep Apnea Syndrome(スリープ・アプニア・シンドローム)」の略で、眠っている間に何度も呼吸が止まる状態を指します。代表的なのが「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」で、これは気道が塞がれて呼吸ができなくなるタイプです。
主な症状
- 大きないびき
- 睡眠中に呼吸が止まる(家族に指摘されることが多い)
- 起床時の頭痛
- 日中の強い眠気
- 集中力の低下や倦怠感
「ただのいびき」と見過ごされがちですが、睡眠中に酸素不足が繰り返されることで、身体には大きな負担がかかっています。
なぜ治療が必要なのか?~放置するとどうなる?~
無呼吸状態が毎晩繰り返されると、全身の酸素不足や交感神経の異常な興奮が生じ、以下のような病気のリスクが高まります。
関連が深い疾患
- 高血圧(特に早朝・夜間高血圧)
- 心筋梗塞や脳卒中などの心血管疾患
- 糖尿病(インスリン抵抗性の悪化)
- 不整脈
- 認知症の進行リスク
- うつ症状やパニック障害
日中の眠気による交通事故や労働災害の原因にもなりうるため、単なる睡眠の問題として片付けるのは非常に危険です。
CPAP治療とは?~仕組みと使い方~
CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:経鼻的持続陽圧呼吸療法)は、鼻に装着したマスクを通して空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐ治療法です。
CPAPの特徴
- 機械から一定の圧力で空気が送られる
- 気道が常に開いた状態を保つ
- 睡眠中の無呼吸や低呼吸を抑える
これにより、脳や体にしっかりと酸素が供給されるようになり、質の高い睡眠を確保することができます。
CPAP治療によって得られるメリット
1. 睡眠の質が劇的に改善する
- 中途覚醒や早朝覚醒が減る
- 熟睡感が得られる
- 夢見がちで眠りが浅い感覚がなくなる
2. 日中の眠気・疲労感が軽減
- 会議中や運転中の眠気が改善
- 集中力や判断力の回復
- 日常生活の生産性が向上
3. 血圧や心臓への負担が軽減
多くの方が、CPAP治療を始めて数週間で血圧の改善を実感しています。特に夜間高血圧や、朝の起床時血圧が高い方に顕著です。
4. 糖尿病やメタボリック症候群の改善にもつながる
無呼吸が解消されることで、インスリン抵抗性が改善し、血糖コントロールがしやすくなったという研究結果もあります。
5. パートナーや家族との関係改善
いびきや寝返りの激しさが減るため、家族から「静かに寝てくれるようになった」と言われることも多いです。
実際にどんな方が治療を受けている?
当院でCPAP治療を受けている方の多くは、以下のような経緯で受診されています。
- 健康診断で「無呼吸の疑い」を指摘された
- ご家族から「夜中に呼吸が止まっている」と言われた
- 高血圧治療中でも朝の血圧が下がらない
- 車の運転中や会議中に寝てしまう
まずは簡易的な検査(アプノモニター)を自宅で行い、無呼吸の程度を確認します。重症度によっては、自宅か1泊入院での精密検査(ポリソムノグラフィー)を行います。
CPAP治療を始めるには?
- 問診と初診評価
睡眠状況、生活習慣、合併症の有無を確認します。 - 自宅での簡易検査(1泊)
寝ている間の呼吸状態を記録し、無呼吸指数(AHI)を測定します。 - 必要に応じて精密検査(自宅か1泊入院)
- 治療開始(CPAP装着)
治療効果をモニタリングしながら、空気圧の調整を行います。 - 定期フォローアップ(月1回)
機器の使用状況や体調の変化を確認し、治療継続をサポートします。
CPAPは一生使い続けなければいけないのか?
多くの場合、無呼吸の原因が「肥満」や「喫煙」「飲酒」によるものであれば、それらを改善することでCPAPを卒業できる可能性もあります。実際に、ダイエットや生活習慣改善によりCPAPを中止できた方もいらっしゃいます。
まとめ
睡眠時無呼吸症候群は放置しておくと重大な病気につながるリスクがあり、CPAP治療はその有効な手段です。
本日お伝えしたかったポイントは以下の3つ!
- CPAP治療は「ただのいびき治療」ではなく、命を守る治療である
- 睡眠の質が改善することで、日常生活が劇的に変わる
- 定期的なフォローと生活習慣の見直しで、将来的には卒業も可能
睡眠やいびきに不安を感じている方は、一度検査を受けてみませんか?提携クリニックであるグッドライフクリニック西町南では、自宅でできる検査のご案内も可能です。ご家族に指摘された方や、健診で異常を指摘された方は、ぜひお気軽にご相談ください!
株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス
弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
- 2021年8月 エターナルフィット西町南 開業
- 2022年11月 エターナルフィット厚別 開業
- 2024年7月 エターナルフィット円山 開業
- 救急科専門医
- 産業衛生専攻医
- 脳神経外科専門医
- 脳卒中専門医
- 脳血管内治療専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 産業医
- 労働衛生コンサルタント
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- 健康運動指導士
- 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)
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