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年始に見直したい産業医契約のポイント

― 法令順守と実効性のある産業保健体制を構築するために ―

年始は、企業運営におけるさまざまな契約や体制を見直す絶好の機会です。その中でも見落とされがちなのが「産業医契約」です。産業医は単なる形式的な存在ではなく、労働安全衛生法に基づき、企業と従業員の健康を守る極めて重要な役割を担っています。

しかし実際には、「産業医と契約はしているものの、業務内容を十分に把握していない」「法令上必要な対応が本当にできているか分からない」といった声も少なくありません。産業医契約の内容次第では、企業が知らないうちに法令違反の状態に陥っている可能性もあります。

本記事では、年始に必ず確認しておきたい産業医契約の5つのポイントについて、実務的な観点から詳しく解説します。

①産業医業務が法令に準拠して行われているか

産業医の業務は、労働安全衛生法および関連法令によって明確に定められています。まず最優先で確認すべきなのは、「最低限やるべき法定業務が、実際に実施されているかどうか」です。

代表的な法定業務には、以下のようなものがあります。

職場巡視が実施されているか

産業医は原則として月1回以上の職場巡視を行い、作業環境や作業方法、労働時間の状況などを確認する必要があります。書類上だけの確認では不十分で、実際に現場を見たうえでの助言が求められます。

■衛生委員会に参加しているか

従業員50人以上の事業場では、毎月1回以上の衛生委員会開催が義務付けられています。産業医はこの衛生委員会に参加し、専門的な立場から意見を述べる必要があります。出席していない、または名義だけの参加になっていないか確認が必要です。

■健康診断後の意見聴取が行われているか

定期健康診断を実施した後、異常所見がある労働者について、産業医の意見聴取を行い、就業上の措置を検討することが義務です。診断結果を渡すだけで終わっていないか、就業制限や配置転換の助言がなされているかを確認しましょう。

■ストレスチェックと面接指導が適切に行われているか

従業員50人以上の事業場では、年1回のストレスチェックが義務です。実施だけでなく、高ストレス者への医師による面接指導の勧奨、さらに集団分析結果を職場環境改善に活かしているかが重要です。

■長時間労働者への面談が実施されているか

時間外・休日労働が月80時間を超える労働者に対しては、医師による面接指導が必要です。この対応が漏れている場合、重大な法令違反となります。

これらの業務が実施されていない場合、企業は労働基準監督署から是正勧告を受ける可能性があり、場合によっては行政指導や企業名公表につながるリスクもあります。

②産業医契約の料金が適正であるか

産業医契約を見直す際、必ず確認すべきなのが「契約料金が適正かどうか」です。価格だけを基準に契約してしまうと、結果として法令違反のリスクを抱えることになります。

一般的に、従業員50人~99人規模の事業所における産業医顧問契約の相場は、月額4万~8万円程度とされています。この金額には、職場巡視、衛生委員会対応、健康診断後の意見聴取、面談対応などの基本業務が含まれるのが通常です。

税理士や社会保険労務士など、他の士業サービスと比較しても、決して高額とは言えません。むしろ、極端に安い契約には注意が必要です。

例えば、月額2万円台などの顧問契約では、以下のような問題が起きやすくなります。

  • 職場巡視が実施されていない
  • 衛生委員会に参加していない
  • 健康診断後の意見書が出ていない
  • ストレスチェック後の対応が不十分

このような状態が続けば、産業医だけでなく、企業側も法令違反として行政処分の対象となります。年始のタイミングで、料金と業務内容が見合っているかを必ず確認しましょう。

③メンタルヘルスや緊急時への対応体制が整っているか

近年、メンタルヘルス不調による休職や離職は、多くの企業にとって大きな課題となっています。産業医が、こうした問題に実効性をもって対応できる体制であるかも重要な見直しポイントです。

具体的には、以下の点を確認してください。

  • メンタル不調が疑われる場合、速やかに面談が可能か
  • ハラスメントや職場トラブルに関する相談に対応できるか
  • 主治医や外部医療機関との連携が取れるか

産業医が形式的な存在になってしまっている場合、従業員が不調を訴えにくくなり、結果として問題が深刻化する恐れがあります。

④企業とのコミュニケーションが円滑に取れているか

産業医は、企業と対立する存在ではなく、経営側と協力しながら職場環境を改善するパートナーです。そのため、日常的なコミュニケーションが円滑に取れているかは非常に重要です。

  • 人事・総務担当者との連絡はスムーズか
  • 衛生委員会で実務に即した助言がなされているか
  • 経営層への報告や提案が適切に行われているか

産業医が職場の実情を理解していなければ、現実的な改善策を示すことはできません。年始は、産業医との関係性を見直す良い機会です。

⑤契約内容と業務範囲が明文化されているか

最後に確認したいのが、産業医契約の内容が明確に書面化されているかという点です。業務内容が曖昧な契約は、トラブルの原因になります。

契約書には、以下のような内容が具体的に記載されていることが望まれます。

  • 職場巡視の頻度
  • 衛生委員会への参加有無
  • 健康診断後の意見書作成
  • 面接指導の対応範囲
  • 緊急時対応の可否
  • 年間活動報告の有無

年始に契約書を見直し、必要に応じて内容を再整理することで、産業医との役割分担が明確になり、より実効性の高い産業保健体制を構築できます。

まとめ

産業医契約は、単なる形式的な契約ではなく、企業の法令順守と従業員の健康を支える基盤です。年始という節目に、法令対応・料金の適正性・対応体制・コミュニケーション・契約内容の5つのポイントを見直すことで、リスクを未然に防ぐことができます。

産業医契約に不安がある場合は、早めに専門家へ相談し、自社に合った産業保健体制を整えることが、結果として企業価値の向上にもつながります。

株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平
野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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