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産業医の職場巡視とは?企業が注意すべきことを解説【産業医監修】

産業医 職場巡視 アイキャッチ

産業医の職場巡視とは?基本的な役割と法的義務

産業医は、企業の従業員が安全で健康的に働ける環境を確保するために配置される医師です。特に、常時50人以上の労働者がいる事業場では、産業医の選任が法律で義務付けられています。

その産業医の重要な業務のひとつが職場巡視です。職場巡視とは、産業医が職場を実際に見て回り、労働環境の安全性や健康リスクを評価する活動を指します。

職場巡視の目的と重要性

職場巡視には、以下のような目的があります。

労働環境の安全確認
機械の安全対策や作業スペースの確保など、事故や労働災害を防ぐためのチェックを行います。

健康リスクの発見と対策
長時間労働が蔓延していないか、過重労働の兆候がないかを把握し、早期の対応につなげます。

メンタルヘルスのサポート
最近では、精神的な健康問題も重要なテーマです。ストレスチェックや社員の表情・態度の変化にも注意を払い、適切なアドバイスを提供します。

産業医が職場巡視でチェックするポイント

実際の職場巡視では、以下の点を重点的に確認します。

作業環境の確認

  • 照明や換気の状態は適切か?
  • 騒音や温度管理に問題はないか?
  • 作業スペースに無駄な障害物がないか?

安全管理体制の確認

  • 機械の安全装置は正しく機能しているか?
  • 化学物質の管理や防護具の使用状況は適切か?
  • 災害時の避難経路は確保されているか?

長時間労働やメンタルヘルスの状況

  • 従業員の労働時間は適正か?
  • 業務量の偏りや過度なストレスを感じている社員はいないか?

企業が注意すべきポイントと対策

職場巡視を有意義なものにするためには、企業側も準備が必要です。

産業医巡視の際に準備すべき資料

  • 従業員の労働時間データ
  • 最近の労災報告やヒヤリハット事例
  • 環境測定データ(騒音・照明・空調など)

事前のヒアリングの重要性
産業医と企業の担当者が事前に情報共有を行うことで、職場の問題点を効率的に把握できます。特に、過重労働の兆候やメンタルヘルス不調のある社員についての情報は、産業医が適切なアドバイスをするうえで重要です。

巡視後のフィードバックと改善計画
職場巡視後は、産業医からの報告をもとに、具体的な改善計画を立てることが求められます。PDCAサイクルを回し、継続的に労働環境の向上を目指しましょう。

職場受診をしない産業医について

違法な産業医は通報の対象

従業員が50人以上の事業所については、産業医が1-2か月に1回の頻度で職場巡視することが義務付けられています。しかし、弊社に乗り換えていただいた企業の話を聞くと、「産業医は一度も会社にきたことがない」という話をよく聞きます。産業医、企業ともに行政指導の対象になりますので、すぐに契約を解除してください。50人以上の従業員を抱えている会社が、法令を守れない産業医を契約したばかりに、業務停止になったり、今後補助金助成金がもらえなくなる可能性がでてきます。

もし、現在契約している産業医がいたら「会社に来てほしい」と伝えてください。必要ないといわれた場合は、労基や医師会に伝える、新しい顧問先を探すなどの対策をとりましょう。

医師は患者を診て診察します。会社を診ない医師が会社のことをわかるわけがないです。

労働者にアルバイトも含めますか?

よく聞かれる質問に「アルバイトを含めますか?」があります。アルバイトも含めます。要するに50人以上が労働しているような職場を想定しているので、短時間勤務であろうが含まれます。

例えば、大型の居酒屋やキャバクラも、正社員が5人しかいなくても、50人以上の非正規労働者が働いている場合は、労働管理、労働環境管理、健康管理を含めて様々な問題が生じます。

 まとめ ~産業医の職場巡視を効果的に活用しよう!~

産業医の職場巡視は、単なる「義務」ではなく、職場環境を改善し、従業員の健康と安全を守るための重要な機会です。

企業側が産業医と連携し、職場巡視の結果をもとに適切な対策を講じることで、従業員の健康管理が向上し、労働生産性の向上にもつながります。

産業医の巡視を活用し、安全で健康的な職場づくりを進めましょう!