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産業医面談とは?目的や流れ、活用方法を詳しく解説【産業医監修】

産業医面談 アイキャッチ

産業医面談は産業医資格をもつ医師により実施されます。しかし、メンタルヘルス関係の相談があるため、対応できない産業医が多いのが現状です。私のところにも顧問先の医師が対応できないとのことで相談を受けることが多いです。また、精神科の医師がメンタルヘルスの対応は得意ですが、内科の臨床経験がほとんどないため、内科的疾患が背景にあったり、社会的背景を考慮しないで対応することもあり、不必要な治療が始まるケースも耳にします。

今回は現役産業医が「産業医面談とは?目的や流れ、活用方法を詳しく解説!」をテーマに記事を作成しました。ぜひ最後までご覧ください!

産業医面談とは?目的と重要性

産業医面談の基本的な役割

産業医面談とは、企業が従業員の健康管理を目的に実施する面談であり、産業医が医学的な視点からアドバイスを行うものです。
従業員の健康を守ることは企業の義務であり、特に長時間労働やメンタル不調が懸念される場合には、産業医面談の実施が推奨されます。

目的は「労働者の健康維持と職場環境改善」

  • 従業員の健康状態を把握し、適切な対応を取る
  • メンタルヘルス不調の早期発見・早期対応
  • 職場環境の改善や労働条件の見直しに役立てる

法的な背景

産業医の設置は労働安全衛生法に基づいて義務づけられており、常時50人以上の労働者がいる事業場では選任が必要です。
また、特定の条件(長時間労働など)が発生した場合には、企業は産業医面談を実施する必要があります。

産業医面談が必要なケース

今日の話で一番重要なポイントとなります。経営者、企業の担当者の方はこれらの3つのケースに該当する場合は、産業医面談が必要になります。

① 長時間労働者への面談

月80時間以上の時間外労働を行った従業員は、会社の義務として産業医面談を受ける必要があります。
長時間労働による過労死や健康障害のリスクを未然に防ぐため、適切な対応を行うことが求められます。

② メンタルヘルス不調者への対応

精神的ストレスが原因で体調を崩している従業員に対して、早期介入を行い適切な支援を提供することが目的です。
うつ病や適応障害などの症状が見られる場合、産業医の助言を受けながら職場復帰や業務調整を検討します。

③ 休職者・復職者のサポート

長期の休職後に職場復帰する際、産業医面談を行うことで、スムーズな復職をサポートできます。
無理な復職が再発を招く可能性もあるため、段階的な復職プランの策定が重要です。

産業医面談の具体的な流れ

① 事前準備

面談前に従業員の健康状態や勤務状況を確認し、面談の目的を明確にします。
企業側が産業医に提供する情報には、以下のようなものがあります。

  • 勤務時間の記録(長時間労働者の場合)
  • 上司や人事担当者からの意見(業務負担や職場環境について)
  • 本人の自己申告内容

② 産業医との面談

面談は本人のプライバシーを尊重した上で実施されます。

  • 現在の健康状態の確認(身体的・精神的な状態)
  • 業務負担や職場環境のヒアリング
  • 今後の働き方や配慮すべき点のアドバイス

③ 産業医の意見書作成

面談結果をもとに、産業医は意見書を作成します。
この意見書には、従業員の健康状態を踏まえた上での業務の配慮事項や、必要な対応が記載されます。

④ 会社側との連携・フォローアップ

企業の人事担当者や上司と連携し、必要に応じて労働環境の改善や業務内容の調整を行います。

産業医面談の活用方法と企業のメリット

① 従業員の健康維持と生産性向上

早期に健康リスクを把握し適切な対応を行うことで、従業員の健康維持につながり、結果的に生産性向上にも貢献します。

② 労災や過労死リスクの低減

過労による健康障害が発生すると、企業には安全配慮義務違反として法的責任が生じることがあります。
産業医面談を適切に実施することで、リスクを未然に防ぐことが可能です。

③ メンタルヘルス対策の強化

メンタルヘルス不調の従業員が増えると、休職や離職率の上昇につながります。
産業医のサポートを活用することで、従業員が安心して働ける職場環境を整えることが可能です。

産業医面談を受ける際のポイント

産業医は企業側、労働者側から中立の立場でなければなりません。そのため、どちらかが悪い、良いではなく、労働者にとって最善の結果になり、企業にとっても健康に働いてもらうために、最善の方法を考え選択する必要があります。通常の臨床医より、産業医間の能力差が大きいため、もし納得がいかない結果の場合は産業医のセカンドオピニオンを考えてください。

① 事前に準備しておくべきこと

  • 現在の体調や困っていることを整理しておく
  • 勤務状況や業務負担を具体的に説明できるようにする
  • 会社側への要望(配慮してほしい点など)を考えておく

② 率直に相談することが大切

産業医面談は、企業側の評価や査定には影響しません。
そのため、無理に取り繕わず、率直に健康状態や困っていることを相談することが重要です。

③ 面談後の対応も確認する

面談後にどのような措置がとられるのかを確認し、必要に応じて人事担当者と相談することも大切です。

まとめ〜産業医面談を積極的に活用しよう!~

産業医面談は、従業員の健康を守るために重要な役割を果たします。
特に長時間労働やメンタルヘルス不調が懸念される場合には、早めに相談し、適切な対応を取ることが大切です。

産業医面談のポイント

 ・従業員の健康管理を目的とした面談である
長時間労働者やメンタル不調者に対して実施される
面談では率直に相談し、適切な対応を受けることが大切
企業にとっても、労働環境の改善や生産性向上につながる

健康的に働くために、産業医面談を積極的に活用しましょう!

参考サイト 「長時間労働者、高ストレス者の面接指導に関する報告書/意見書作成マニュアル」

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055195_00013.html

【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平

野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

【各種資格】

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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