「いままで片頭痛だと思って病院に行かず市販の頭痛薬を飲んでいたが、効かなくなってきた」
「テレビで脳卒中の番組をみたら自分も心配になってきた」
頭痛の原因として多いのが「片頭痛」と「筋緊張型頭痛」です。ともに規則正しい生活習慣と身体のメンテナンスを行うことで改善できるケースもありますが、市販薬で何年も受診せず、痛みに耐えているケースも多くあります。
今回は「片頭痛で病院に行くべきタイミングと治療法」について記事を作成しました。ぜひ最後までご覧ください!
目次
片頭痛とは?症状と一般的な原因
片頭痛は、脈打つような強い頭痛が片側に起こるのが特徴です。発作的に現れ、数時間から3日間ほど続くこともあります。しかし、症状には個人差があり、小学生~中学生だと腹部症状が先行する場合や心疾患を合併していることなどもあり、十分な問診が重要となります。
片頭痛の主な症状
- ズキズキとした痛み(片側が多いが両側に及ぶことも)
- 吐き気や嘔吐
- 光や音に対する過敏症
- 身体を動かすと悪化する
片頭痛の主な原因
以下の要因が関与していると考えられています。
- 血管の拡張: 頭部の血管が拡張し、神経を刺激することで痛みが生じる
- 神経伝達物質の異常: セロトニンなどの影響
- ホルモンバランスの変化: 特に女性は月経前後に片頭痛が悪化しやすい
- ストレスや睡眠不足: 生活習慣の乱れも大きな要因
片頭痛を病院で診てもらうべきタイミング
片頭痛は一時的なものだと思いがちですが、次のような場合は病院を受診すべきです。片頭痛は慢性化する前に治療を開始できれば、治癒できる可能性が高くなります。
受診をおすすめするケース
・頭痛の頻度が増えた(月に4回以上)
・ 市販薬が効かない・使いすぎている
・頭痛の症状が以前と異なる
・言葉が出にくい、手足がしびれるなど神経症状を伴う
・50歳以上で突然発症した頭痛
受診してくる方で最も多いのが10~20代の女性です。月経由来の頭痛も多いですが、片頭痛が最初に発症し、日常生活に影響がでる年齢なのも理由かと思います。
片頭痛と似た症状を示す疾患(脳腫瘍や脳卒中など)の可能性もあるため、いつもと違う頭痛を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
病院での片頭痛の診断方法と検査内容
病院では、医師が問診や検査を行い、片頭痛かどうか診断します。
問診で聞かれること
- どんな痛みか(ズキズキ・圧迫感など)
- 頭痛の頻度と持続時間
- どんな時に頭痛が起こるか(ストレス・睡眠不足・食べ物の影響など)
- 家族に片頭痛持ちがいるか
検査内容
通常、片頭痛の診断は問診が中心ですが、以下の検査をまず行い、器質的な要因がないか調べることが多いです
・ MRI・CT: 脳の異常(脳腫瘍や出血)をチェック
・ 血液検査: 炎症や他の疾患の可能性を確認
片頭痛の治療法|薬・生活習慣の改善・最新治療
片頭痛の治療は、発作を抑える治療と、予防的な治療の2つに分かれます。
① 発作時の治療(急性期治療)
片頭痛が起きたときに症状を和らげる薬を使用します。
・ トリプタン系薬剤(スマトリプタン、リザトリプタンなど)
・ NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)(ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)
・ 制吐薬(吐き気が強い場合に使用)
② 予防的治療(片頭痛の頻度を減らす)
月に4回以上片頭痛が起こる場合、予防薬を検討します。
・β遮断薬(プロプラノロールなど)
・ カルシウム拮抗薬(ロメリジンなど)
・ 抗うつ薬・抗てんかん薬(アミトリプチリン、バルプロ酸など)
③ 注射薬 CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)
内服薬でも効果が乏しく、片頭痛の頻度が多い方には月1回に注射での治療を勧めることがあります。
片頭痛の予防策と再発を防ぐポイント
日常生活でできる片頭痛の予防策
・規則正しい生活習慣を維持する(睡眠・食事・運動)
・ストレスを適切に管理する(リラックス法を取り入れる)
・片頭痛の引き金となる食品を避ける(チョコレート、赤ワイン、カフェインなど)
片頭痛日記をつけると治療に役立ちます!
片頭痛が起こった時間や食事内容、ストレスレベルなどを記録し、自分の片頭痛のパターンを把握すると、原因がわかることがあり受診した方には「頭痛ダイアリー」を渡して記録するように伝えています。
まとめ 片頭痛は病院で適切に診断・治療を!
・ 片頭痛はズキズキする頭痛が特徴で、光・音過敏や吐き気を伴うことが多い
・ 月に4回以上の頭痛や、市販薬が効かない場合は病院で診察を
・ 病院では問診を中心に、必要に応じてMRIや血液検査を実施
・ 治療はトリプタン系薬や予防薬、最新のCGRP関連薬も登場
・ 生活習慣の改善や片頭痛日記で予防も可能!
片頭痛は適切な治療でコントロールできる疾患です。自己判断せず、病院で専門医に相談することが重要です!自宅から月1回無理なく通える頭痛外来を探しましょう!
参考サイト 頭痛の診療ガイドライン https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf
【産業医について】
弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。
【代表紹介】 野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
- 2021年8月 エターナルフィット西町南 開業
- 2022年11月 エターナルフィット厚別 開業
- 2024年7月 エターナルフィット円山 開業
【各種資格】
- 救急科専門医
- 産業衛生専攻医
- 脳神経外科専門医
- 脳卒中専門医
- 脳血管内治療専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 産業医
- 労働衛生コンサルタント
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- 健康運動指導士
- 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)
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