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災害時・緊急時における職場の健康管理と危機対応:企業が取るべき対策とは?

BCP

近年、日本では地震や台風、豪雨災害などの自然災害に加え、新型コロナウイルスのような感染症パンデミック、さらには火災や化学物質漏洩といった産業事故のリスクも高まっています。こうした災害・緊急事態が発生した際、企業は「従業員の安全確保」と「事業継続(BCP)」の両立を求められます。

特に、職場の健康管理は、災害時における従業員の心身の安全を守る上で不可欠です。本記事では、災害時や緊急時における健康管理と危機対応のポイントを詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください!

災害時・緊急時における職場の健康管理の重要性

災害が健康に与える影響

災害や緊急事態が発生すると、職場では以下のような健康リスクが生じます。

  • 肉体的な負担の増加(避難行動、長時間労働、睡眠不足)
  • 心理的ストレスの増大(恐怖、不安、喪失感、PTSDリスク)
  • 環境リスクの悪化(粉じん、煙、化学物質漏洩、感染症拡大)
  • 慢性的な健康問題の悪化(持病のある従業員が適切な医療を受けられない)

企業は、災害が従業員の健康に与える影響を理解し、適切な対策を講じることが求められます。

産業医・労働衛生管理者の役割

産業医や労働衛生管理者は、企業の健康管理の要です。災害発生時には、以下の役割を担うことが重要です。

  • 従業員の健康状態の確認・サポート(急性ストレス障害や持病の悪化を防ぐ)
  • 避難所や職場環境の安全管理(空気質、騒音レベル、衛生状態の確認)
  • メンタルヘルスケアの提供(カウンセリング、ストレスチェックの実施)
  • 企業の危機対応計画(BCP)の策定支援

産業医と労働衛生管理者が積極的に関与することで、職場の健康リスクを最小限に抑えることが可能になります。


災害時における企業の健康管理の具体的対策

事前準備としての健康管理計画の策定

災害が発生してから対応するのでは遅いため、事前の健康管理計画の策定が重要です。

(1)従業員の健康情報の管理

  • 持病やアレルギーの有無をリスト化
  • 緊急時の連絡先を登録
  • 医療機関との連携を強化

(2)職場の衛生環境の確保

  • 非常時用の**医療品・衛生用品(マスク、消毒液、応急処置キット)**を備蓄
  • 避難所や待機場所の換気・空調管理
  • 飲料水や食料の衛生管理

(3)メンタルヘルス対策

  • 災害時に備えたストレスマネジメント研修の実施
  • 産業医やカウンセラーとの相談体制を整備

災害発生時の即時対応

災害が発生した際、企業が迅速に取るべき健康管理の対応を整理します。

(1)従業員の安否確認と健康状態の把握

  • 緊急連絡システムを活用して、安否情報を収集
  • 負傷者の有無を確認し、必要に応じて医療機関へ搬送

(2)職場環境の安全確認

  • 建物の損傷チェック(倒壊リスク、ガス漏れの確認)
  • 空気質や水質の安全性を確認

(3)避難時の健康管理

  • 熱中症や低体温症を防ぐための環境整備
  • 感染症対策としてマスク着用・手洗い励行

緊急事態後の健康管理と職場復帰支援

事業再開に向けた健康管理のポイント

災害や緊急事態後に職場復帰する際、従業員の健康管理に十分配慮することが必要です。

(1)メンタルヘルスチェックの実施

  • PTSDやうつ症状のリスクがある従業員への個別対応
  • 産業医や心理カウンセラーによるサポート

(2)職場の衛生環境の再評価

  • 被災後の建物や設備の安全性確認
  • 衛生管理の強化(感染症予防対策の継続)

(3)柔軟な勤務体制の導入

  • 在宅勤務や短時間勤務の活用
  • 避難生活を強いられた従業員への配慮

助成金・補助金情報

災害時や緊急時における職場の健康管理と危機対応に関して、企業が活用できる主な補助金・助成金を以下にまとめました。詳細は各リンク先をご参照ください。

BCP実践促進助成金

中小企業が策定した事業継続計画(BCP)を実践するために必要な物品や設備の導入費用を助成する制度です。​自家発電装置、安否確認システム、感染症対策用品、備蓄品、データバックアップ用サーバーなどが対象となります。​助成率は中小企業者で1/2、小規模事業者で2/3以内、上限額は1,500万円です。 参考サイト:https://hojyokin-portal.jp/columns/bcp_sokushin_tokyo

団体経由産業保健活動推進助成金

中小企業や労働保険の特別加入者を支援する団体が、産業医や保健師などの専門職、または産業保健サービス提供事業者と契約し、傘下の中小企業等に産業保健サービスを提供した際、その費用の一部を助成する制度です。​助成額は「産業保健サービス提供費用+事務委託費用」の総額の90%で、上限額は500万円(一定の要件を満たす団体は1,000万円)です。
参考サイト:https://www.johas.go.jp/sangyouhoken/tabid/1251/Default.aspx

健康経営に関する助成金・補助金

従業員の健康管理を戦略的に実践する「健康経営」を推進する企業向けの助成金・補助金もあります。​例えば、「働き方改革推進支援助成金」や「業務改善助成金」などがあり、職場環境の改善や従業員の健康増進に取り組む際に活用できます。

参考サイト:https://hatarakikatakaikaku.mhlw.go.jp/subsidy.html

※助成金や補助金の詳細、申請条件、申請方法は各リンク先をご確認ください。​また、各自治体によって独自の支援制度が設けられている場合もありますので、所在地域の自治体の公式ウェブサイト等で最新情報を確認することをおすすめします。


まとめ:企業が取り組むべき健康管理のポイント

企業にとって、災害時・緊急時の健康管理は「従業員の生命を守る」だけでなく、「事業継続」にも直結する重要な課題です。本記事で紹介したポイントを押さえ、事前準備から災害発生時、復旧期に至るまで、適切な健康管理を実施しましょう。

【企業が取るべき健康管理のポイント】

  1. 事前準備を徹底(従業員の健康情報管理、医療品備蓄、メンタルヘルス対策)
  2. 災害発生時の即時対応(安否確認、環境チェック、避難時の健康管理)
  3. 復旧期のフォローアップ(メンタルケア、衛生環境の再整備、柔軟な勤務対応)

災害や緊急事態はいつ発生するかわかりません。今すぐ健康管理の計画を見直し、万全の準備を進めておきましょう!

【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平

野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

【各種資格】

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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