― 産業医の視点で読み解く「午後の生産性低下」の正体 ―
昼食後になると、職場全体の空気がどこか緩み、集中力が落ちていると感じることはないでしょうか。
「午後は会議中にうとうとしている社員が多い」「デスクでぼんやりしている時間が長い」など、昼食後の眠気は多くの企業が抱える共通の悩みです。
実はこの現象、個人の意志や体質だけの問題ではなく、職場環境や組織の在り方に共通点が見られることが、産業医の現場では明らかになっています。
本記事では、昼食後に眠くなる社員が多い職場の共通点を整理し、企業として取るべき対策を解説します。
目次
昼食後に眠くなるのは「自然現象」だが、差は生まれる
人は生体リズムの影響により、13〜15時頃に眠気が出やすいとされています。
つまり、昼食後の眠気自体は誰にでも起こり得る生理的現象です。
しかし、問題は「眠気が業務に支障をきたすレベルで頻発しているかどうか」です。
眠気を感じつつも業務に集中できている職場と、明らかに生産性が低下している職場では、いくつかの明確な違いがあります。
共通点① 昼食内容が高糖質・高脂質に偏っている
昼食後の眠気に最も影響を与えるのが、食事内容です。
・白米や麺類中心
・揚げ物が多い
・甘いデザートや清涼飲料水を摂取している
このような昼食は血糖値を急激に上昇させ、その後急降下させます。
血糖値の乱高下は強い眠気、集中力低下、倦怠感を引き起こします。
特に、社員食堂や近隣飲食店の選択肢が限られている職場では、全体として似た昼食内容になりやすいため、午後の眠気が「職場全体の問題」として表面化しやすくなります。
共通点② 午後の業務設計が単調で刺激が少ない
午後一番の業務が次のような内容になっていないでしょうか。
・長時間の座学研修
・資料を読むだけの作業
・発言機会の少ない会議
単調な作業や受動的な業務は、眠気を増幅させます。
特に昼食後すぐに「動きのない業務」が続くと、脳が休息モードに入りやすくなります。
産業医の立場から見ると、業務配分の問題は個人努力では解決できない職場要因の一つです。
共通点③ デスクワーク中心で身体活動量が極端に少ない
一日を通して、ほとんど席を立たない職場では、血流が滞りやすくなります。
血流の低下は脳への酸素供給量を減らし、眠気や集中力低下につながります。
特に以下の特徴がある職場は要注意です。
・オンライン会議が連続している
・フリーアドレスだが実際は固定席
・昼休憩も座ったまま過ごす社員が多い
身体活動量の少なさは、生活習慣病リスクだけでなく、日中の覚醒度低下という形でも影響を及ぼします。


共通点④ 睡眠不足の社員が多い職場文化
昼間の眠気の背景には、慢性的な睡眠不足が隠れていることも少なくありません。
・長時間残業が常態化している
・業務連絡が夜間にも届く
・心理的に常に緊張状態が続いている
このような職場では、社員が十分な睡眠を確保できず、昼食後に限らず日中全体でパフォーマンスが低下します。
産業医面談では、「昼食後が一番つらい」という訴えの裏に、睡眠の質・量の問題が見つかるケースが非常に多くあります。
共通点⑤ 「眠くなるのは仕方ない」という諦めの空気
眠気そのものよりも、実は重要なのが職場の意識です。
・眠そうにしていても誰も声をかけない
・生産性低下が当たり前になっている
・体調管理が個人任せになっている
このような職場では、改善のきっかけが生まれません。
産業保健の観点では、「昼食後に眠くなる社員が多い」という事実そのものが、職場環境改善の重要なサインです。
企業ができる具体的な対策
産業医として推奨される対策には、以下のようなものがあります。
・社員食堂や昼食情報でバランスの取れた食事を啓発
・午後一番に軽いミーティングや立ち会議を入れる
・定期的なストレッチや短時間の歩行を推奨
・睡眠や生活習慣に関する産業医面談の実施
・「体調不良を相談できる職場風土」の醸成
これらは単独ではなく、職場全体で取り組むことが重要です。
まとめ ~昼食後の眠気は「個人」ではなく「組織」の課題~
昼食後に眠くなる社員が多い職場には、
食事・業務設計・身体活動・睡眠・職場文化という共通点があります。
これは裏を返せば、産業保健の視点を取り入れることで改善できる余地が大きいということでもあります。
昼食後の眠気を放置せず、社員の健康と生産性の両立を目指すことが、企業価値向上につながります。
株式会社NoLaBoでは、産業医による職場分析や健康支援を通じて、企業の持続的成長をサポートしています。
株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス
弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
- 2021年8月 エターナルフィット西町南 開業
- 2022年11月 エターナルフィット厚別 開業
- 2024年7月 エターナルフィット円山 開業
- 救急科専門医
- 産業衛生専攻医
- 脳神経外科専門医
- 脳卒中専門医
- 脳血管内治療専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 産業医
- 労働衛生コンサルタント
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- 健康運動指導士
- 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)
~お問い合わせ・資料請求について~
下記ボタンより、お問い合わせ・資料請求ができます。
