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夜遅い夕食が社員の健康と集中力を奪う理由

―産業医の視点から考える「食事時間」とパフォーマンスの関係―

はじめに

長時間労働や残業が常態化している職場では、夕食の時間が21時以降、場合によっては深夜になる社員も少なくありません。一見すると「忙しいだけ」「生活リズムの問題」として個人の努力に委ねられがちですが、夜遅い夕食は社員の健康だけでなく、翌日の集中力や生産性、さらには企業全体のパフォーマンスにも大きな影響を与えます。

本記事では、産業医の視点から「なぜ夜遅い夕食が問題なのか」を医学的・行動科学的に解説し、企業としてどのような対策が可能かまで踏み込んで解説します。

夜遅い夕食が増えている背景

働き方の変化と生活リズムの乱れ

リモートワークやフレックスタイム制の普及は柔軟な働き方を実現した一方で、業務と私生活の境界を曖昧にしました。その結果、「仕事を終えてから食事をする」という意識が強まり、夕食時間が後ろ倒しになるケースが増えています。

また、会議の長時間化、海外拠点との時差業務、慢性的な人手不足なども、夜遅い食事を助長する要因です。

夜遅い夕食が体に与える影響

睡眠の質を著しく低下させる

人の体は夜になると副交感神経が優位になり、休息と回復のモードに入ります。しかし、就寝直前に食事を摂ると消化活動のために内臓が働き続け、深い睡眠が妨げられます。

睡眠の質が低下すると、
・寝ても疲れが取れない
・朝の目覚めが悪い
・日中の眠気が強くなる
といった症状が現れやすくなります。

血糖値の乱高下による集中力低下

夜遅い時間帯はインスリンの働きが低下するため、同じ食事内容でも血糖値が上がりやすくなります。血糖値が急上昇・急降下すると、翌日の午前中に強い眠気や集中力の低下を招きます。

これは個人の「気合」や「根性」で解決できる問題ではなく、生理的な反応です。

生活習慣病リスクの上昇

夜遅い夕食を習慣化すると、肥満、脂質異常症、糖尿病、高血圧といった生活習慣病のリスクが高まることが多くの研究で示されています。

特にデスクワーク中心の社員は、エネルギー消費量が少ないため、夜に摂取したカロリーが消費されにくく、内臓脂肪として蓄積されやすい傾向があります。

集中力・判断力への影響

脳のパフォーマンスは「前日の食事」で決まる

集中力や判断力は、睡眠と栄養状態に大きく左右されます。夜遅い夕食によって睡眠の質が低下すると、脳の前頭前野の働きが鈍り、
・ミスが増える
・判断に時間がかかる
・感情コントロールが難しくなる
といった変化が起こります。

これらは、事故やハラスメント、メンタルヘルス不調のリスクを高める要因にもなります。

企業にとっての見えない損失

夜遅い夕食が常態化している職場では、以下のような「見えないコスト」が発生します。

・プレゼンや会議での集中力低下
・業務効率の悪化による残業の増加
・体調不良による欠勤・プレゼンティーズム
・将来的な医療費・休職リスクの増大

これらはすべて、企業の生産性や持続的成長に直結する重要な課題です。

産業医が勧める現実的な対策

「夕食は遅くても◯時まで」という文化づくり

制度だけでなく、管理職が率先して早く業務を切り上げる姿勢を示すことが重要です。「早く帰ること=評価が下がる」という暗黙の文化を見直す必要があります。

分食・軽食の活用

どうしても帰宅が遅くなる社員には、夕方に軽食を摂り、帰宅後は消化の良い軽めの食事にする「分食」を推奨します。

健康教育と情報提供

産業医や保健師によるセミナー、社内ポータルでの情報発信などを通じて、「なぜ夜遅い夕食が問題なのか」を社員自身が理解することが重要です。

業務設計の見直し

会議時間の短縮、不要な報告業務の削減、業務の属人化解消など、根本的な業務改善も欠かせません。

まとめ

夜遅い夕食は、社員個人の生活習慣の問題に見えて、実は職場環境や業務設計と密接に関係しています。
健康と集中力を守ることは、社員への福利厚生であると同時に、企業の競争力を高める投資でもあります。

産業医の視点を取り入れながら、食事時間も含めた「働きやすい職場づくり」を進めていくことが、これからの企業には求められています。

株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平
野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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