夏の訪れとともに、企業における労働災害リスクの一つとして特に注意が必要なのが「熱中症」です。近年、猛暑日が増加傾向にあり、屋外作業者はもちろん、屋内で働く方々にとっても他人事ではありません。
本記事では、産業医としての経験と、脳卒中専門医・救急科専門医としての知識を活かし、職場の朝礼などで手軽に活用できる、1分間の熱中症予防スピーチ例を10本ご紹介します。社員の皆様の健康と安全を守るため、ぜひ毎朝の習慣として取り入れてみてください。
目次
スピーチ1:水分補給の基本
「おはようございます。今日は熱中症予防の基本、『水分補給』についてお話しします。喉が渇いたと感じたときには、すでに脱水が始まっています。ポイントは『喉が渇く前に飲む』こと。朝起きたらまずコップ1杯の水を、そして仕事中も1時間にコップ1杯を目安に、こまめな水分補給を意識しましょう。」
スピーチ2:塩分も忘れずに
「水分補給に加え、『塩分補給』も熱中症対策には重要です。汗をかくと体内のナトリウムが失われ、体調不良の原因になります。水だけでなく、塩分タブレットやスポーツドリンクを活用するのも一つの手です。特に作業中に大量の汗をかく方は、意識的に塩分を補給しましょう。」
スピーチ3:服装で暑さ対策
「服装も熱中症対策の一部です。通気性の良い素材、汗を吸いやすい素材の服を選びましょう。色は黒より白や明るい色の方が熱を吸収しにくく、涼しさが違います。また、屋外では帽子やネッククーラーなどの使用も効果的です。」
スピーチ4:暑さに慣れることが大切
「『暑熱順化』という言葉をご存知ですか?これは暑さに体を慣らすことを意味します。急に暑くなると体が対応できず、熱中症のリスクが高まります。毎日20~30分の軽い運動や入浴などで、少しずつ体を暑さに慣らしていきましょう。」
スピーチ5:室内も油断大敵
「熱中症は屋外だけの話ではありません。室内でも湿度が高く、風通しが悪いと体温が下がりにくくなります。エアコンの設定温度は28℃以下、扇風機で空気を循環させると効果的です。暑さを我慢せず、適切に空調を使いましょう。」
スピーチ6:熱中症の初期症状を知ろう
「熱中症の初期症状には、『めまい』『吐き気』『だるさ』などがあります。これらは見過ごされやすく、対応が遅れると重症化のリスクが高まります。早期に気づき、水分・塩分の補給と涼しい場所での休息が重要です。」
スピーチ7:仲間の異変に気づくことも予防
「自分の体調だけでなく、周囲の人の様子にも注意を払いましょう。顔が赤い、汗をかいていない、フラフラしているなどの異変に気づいたら、すぐに声をかけてください。早期発見が重症化を防ぎます。」
スピーチ8:高リスク者への配慮
「高齢者、糖尿病や高血圧などの持病がある方は、熱中症のリスクが高まります。こうした方々に対しては、特にこまめな休憩や水分補給を促すよう、職場全体で配慮しましょう。」
スピーチ9:休憩時間の工夫
「休憩時間はしっかりと体を休める時間です。日陰やクーラーの効いた部屋で休憩を取り、必要に応じて衣服をゆるめましょう。水分と塩分も忘れずに補給することが重要です。」
スピーチ10:暑い日は無理をしない
「暑い日は『無理をしない』という姿勢が大切です。体調が優れないと感じたら、無理せず上司に報告し、早めに休憩を取りましょう。体調のセルフチェックも熱中症予防の一環です。」
まとめ
熱中症は予防が最も重要な健康問題です。1分間という短い時間でも、社員全員がその日を安全に働く意識を持つきっかけとなります。この記事で紹介したスピーチ例を参考に、職場での熱中症対策をより一層強化しましょう。
また、株式会社NoLaBoでは、産業医による熱中症セミナーや、職場環境改善のためのコンサルティングも承っております。お気軽にお問い合わせください。
株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス
弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
- 2021年8月 エターナルフィット西町南 開業
- 2022年11月 エターナルフィット厚別 開業
- 2024年7月 エターナルフィット円山 開業
- 救急科専門医
- 産業衛生専攻医
- 脳神経外科専門医
- 脳卒中専門医
- 脳血管内治療専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 産業医
- 労働衛生コンサルタント
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- 健康運動指導士
- 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)
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