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ストレスチェックとハラスメント対策はなぜセットで行うべきか?職場改善の鍵を徹底解説

ストレスチェックハラスメント アイキャッチ

ストレスチェックとハラスメント対策の重要性と背景

現代の職場では、メンタルヘルスの問題が年々顕在化しています。その一方で、パワーハラスメントやセクシャルハラスメント、マタニティハラスメントなどのハラスメント問題も深刻化し、企業のリスクとして顕著になっています。

こうした中で注目されているのが、「ストレスチェック制度」と「ハラスメント対策」です。これらは個別に導入されがちですが、実は相互に密接に関連しているのが現実です。

ストレスチェックで判明する高ストレスの背景には、上司からの過度な指導や同僚との関係悪化など、ハラスメントに該当する事象が含まれていることも多く、両者を切り離して考えることは実態把握を妨げる要因にもなります。

ストレスチェック制度の概要と職場での役割

ストレスチェック制度は、2015年に改正された労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者を抱える事業所での実施が義務化されています。

この制度の目的は、従業員のストレス状態を数値的に可視化し、早期のメンタルヘルス不調を防止することにあります。

さらに、職場全体の傾向を把握し、環境改善に活用することも重要な目的です。単なる「健康診断」的な捉え方ではなく、ストレスの原因を分析し、組織文化の見直しにもつなげることが求められています。

ハラスメントの種類と企業へのリスク

ハラスメントは多様化しており、近年では以下のような種類が問題視されています。

  • パワハラ(パワーハラスメント):職務上の地位を利用した精神的・肉体的な攻撃
  • セクハラ(セクシャルハラスメント):不適切な性的言動
  • マタハラ(マタニティハラスメント):妊娠・出産・育児を理由とした不利益扱い

これらの行為は、従業員の精神的健康を著しく損ない、ストレスの主要因にもなるため、ストレスチェック結果の裏にハラスメントが存在することも少なくありません。

さらに、ハラスメント問題が公になると、企業は法的リスク、レピュテーションリスク、採用難など、多大な損害を被る可能性があります。未然に防止する仕組みの構築が不可欠です。

統合的に取り組むメリットと実践方法

ストレスチェックとハラスメント対策を一体で運用することで、以下のような相乗効果が期待できます:

  • 高ストレスの要因分析にハラスメント視点を取り入れることで、問題の本質に迫れる
  • 従業員が相談しやすい窓口や教育制度をセットで整備することで、未然防止が可能
  • 産業医やカウンセラーと連携した支援体制を構築し、信頼される職場づくりが実現

具体的には、ストレスチェック結果の分析時に「人間関係」「上司との関係」などの回答項目を重点的にレビューし、匿名性を保持しながらも傾向を把握する工夫が必要です。

また、ハラスメント研修や通報制度といった対策は、チェックの実施結果をもとに必要性を訴求しやすくなるため、制度間の連携が結果的に推進力となります。

成功事例と今後の課題

あるIT企業では、ストレスチェックの高ストレス者分析を行った結果、特定部署でパワハラ的な指導が蔓延していたことが判明。人事部がこのデータをもとにハラスメント教育を実施し、管理職の行動改善を促しました。その後、翌年のストレスチェックでは高ストレス者数が20%減少し、離職率も改善されました。

このような成功事例が示すように、ストレスチェックとハラスメント対策は「別物」としてではなく、「連携する戦略」として位置づけることで、はじめて効果を発揮します。

一方で、制度を形骸化させず、従業員が安心して利用できる仕組み作りが依然として課題です。今後は、デジタルツールの活用匿名性の担保など、技術的・心理的な側面のサポートも進化させていく必要があるでしょう。

まとめ

ストレスチェックとハラスメント対策は、表面的には異なる施策に見えますが、職場の根本的な健康と安全を守るためには一体化して考えるべきものです。

高ストレスの背景にハラスメントがあることは少なくなく、ハラスメント対策の強化はストレス軽減にもつながります。両者を連動させて対策することで、職場環境の改善、定着率の向上、企業リスクの低減といったメリットを得られるのです。

ぜひ企業として、制度の表面的な導入にとどまらず、データ活用・教育・相談体制の整備までを含めた「統合的メンタルヘルス対策」を実現していきましょう。

株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平
野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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