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【産業医監修】企業の健康経営における「保健指導」の真価とは?〜メンタルヘルス対策の切り札〜

保健指導 アイキャッチ

健康経営とは?企業が取り組むべき理由

「健康経営」は経済産業省が推進する取り組みで、従業員の健康を経営的な視点から戦略的に考えるという考え方です。労働人口の減少や生産性の低下といった社会課題を背景に、企業が従業員の健康を守ることはコストではなく、将来への投資として認識され始めています。

特に近年は、健康経営銘柄や健康経営優良法人といった制度が整備され、企業の「健康投資」は社会的評価にも直結するようになりました。また、福利厚生の一環としてではなく、経営戦略として健康を捉えることで、従業員の定着率やエンゲージメントの向上にも寄与しています。

保健指導の役割と種類

健康経営の中心的なアクションの1つが「保健指導」です。保健指導とは、健康診断の結果をもとに、生活習慣の改善や疾病予防を目的とした専門的なアドバイスを行う活動です。内容は、医師、保健師、管理栄養士などの専門職が個別または集団で実施します。

保健指導には主に2種類あり、

  • 特定保健指導:40〜74歳のメタボリックシンドローム該当者に向けた法定プログラム
  • 一般保健指導:年齢や疾患に関係なく、企業が自主的に提供する指導

があります。
これらは生活習慣病の予防だけでなく、従業員の健康意識の向上にも大きく寄与します。特に若手社員に対する継続的なアプローチは、企業文化としての「健康意識」醸成にもつながります。

メンタルヘルスと保健指導の接点

健康経営において、身体の健康と同等かそれ以上に重視されているのが「メンタルヘルス」です。
現代の職場では、長時間労働・人間関係のストレス・リモートワークの孤立感など、心の健康に関わる問題が増加しています。これに対応するために、ストレスチェック制度が2015年に義務化されました。

ここで重要となるのが、「ストレスチェック結果を保健指導と連動させる」ことです。単なるスコアの測定で終わらせず、高ストレス者に対する個別対応、産業医との連携、継続的なカウンセリング体制の整備が不可欠です。

また、保健師が中心となってメンタルヘルス支援を行うことで、身体と心を一体で見る統合的な健康管理が実現できます。

健康経営に保健指導を組み込む実践方法

理想的な保健指導の実践には、企業内部の体制整備が不可欠です。まずは産業医・保健師・人事労務部門が連携し、「健康管理チーム」を編成することが第一歩です。

また、ICTツールの導入により、健康情報の蓄積・分析・フィードバックの自動化が可能となり、業務負担の軽減にもつながります。スマホアプリを活用した生活習慣管理、ウェアラブルデバイスによる日常的な健康データの取得などが代表例です。

さらに、継続的な取り組みの可視化が重要です。定期的なアンケート調査やKPIの設定により、効果を検証し改善サイクルを回すことができます。

実際に健康経営優良法人に認定されたある中堅企業では、保健指導を通じて従業員の喫煙率を40%→18%まで低減させた実績もあり、経営効果の「見える化」が成功の鍵となっています。

まとめと今後の展望

健康経営における保健指導は、単なる健康診断のフォローではなく、企業文化の改革手段でもあります。従業員が自らの健康に責任を持ち、企業がその支援をする——そんな双方向の信頼関係が、健全な組織づくりの基盤となります。

特にメンタルヘルス対応は、これからの保健指導において極めて重要なテーマです。うつ病や適応障害などを未然に防ぐためにも、保健指導は「予防医療の第一線」として機能する必要があります。

今後は、AIやビッグデータを活用した「パーソナライズド保健指導」も普及が予測されており、企業の健康経営はより高度で精緻なフェーズへと移行していくでしょう。

【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平
野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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