「有機溶媒を使っていると普段の健康診断だけでは足りないと言われたけど本当?」
「うちの会社は特にふつうの健康診断しかしてないけど、他にも必要ですか?」
世の中には色々な仕事に従事されている方がいます。私は元々脳神経外科医であったので、カテーテル手術の際には多量の放射線に被ばくする可能性があり、月4回以上の当直業務を行っていたため、様々な防護対策と追加の健康診断を受ける必要があります。
今回は「【企業必見】有害業務従事者への特殊健康診断の実施方法とポイント」をテーマに記事を作成しました。コンプライアンスに関わる部分もあるので、ぜひ最後までご覧ください!
目次
特殊健康診断とは?有害業務従事者への必要性
特殊健康診断の目的と法律の概要
特殊健康診断とは、労働者が有害業務に従事する際に発生する健康リスクを未然に防ぐために実施される健康診断のことです。労働安全衛生法に基づき、特定の業務に従事する労働者に対して企業が実施することが義務付けられています。
📌 関連する法律
- 労働安全衛生法(第66条)
- 労働安全衛生規則(第22条、第44条など)
例えば、有機溶剤を使用する業務や、鉛・特定化学物質を扱う業務に従事する労働者は、定期的な特殊健康診断を受ける必要があります。
対象となる有害業務とは?
有害業務とは、労働者の健康に悪影響を及ぼす可能性のある業務のことを指します。代表的なものには以下があります。
業務の種類 | 具体例 | 必要な健康診断 |
有機溶剤業務 | 塗装・印刷工場 | 有機溶剤健康診断 |
鉛業務 | 鉛バッテリー製造 | 鉛健康診断 |
石綿業務 | 解体工事 | 石綿健康診断 |
放射線業務 | X線検査技師 | 放射線健康診断 |
もっと詳しく知りたい方は以下のサイトを参考にしてください
特殊健康診断の実施方法と具体的な流れ
企業が対応すべきフロー(計画~実施まで)
- 対象者の特定:該当する業務に従事する従業員をリストアップ
- 医療機関の選定:特殊健康診断を実施できる医療機関を確認
- 診断の実施:企業負担で従業員の健康診断を実施
- 結果の管理と通知:診断結果を適切に管理し、労働者へ通知
一番重要なことは対象者を選定することです。最初から「うちの会社は有害業務に該当しないから大丈夫!」と思い込んでいると、労働者への正しい健康管理ができません。これについては専門の知識が必要なので経験のある産業医、労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント、作業環境測定士に依頼することが一番です。
医療機関との連携と診断内容
診断内容は業務の種類によって異なりますが、一般的に以下の項目が含まれます。
- 血液検査(鉛中毒・有機溶剤の影響を測定)
- 尿検査(有害物質の排泄状況を確認)
- 呼吸機能検査(粉じん業務に従事する労働者向け)
- 胸部X線検査(石綿業務従事者向け)
地域産業保健センターの利用
労働者が50人未満の事業所の場合、全国各地に「地域産業保健センター」という産業保健のサポートを無償で行ってくれる施設があります。回数、業務内容に制限はありますが、相談に乗ってくれます。
50人以上の企業については、経験のある産業医、労働衛生コンサルタントなどに相談して対応策を検討しましょう!
まとめ
特殊健康診断を適切に実施し、安全な職場環境を
特殊健康診断は、労働者の健康を守るために重要な制度です。適切な実施によって、従業員の健康被害を未然に防ぐことができます。さらに、助成金を活用することで、企業の負担を軽減できます。
企業の安全管理担当者は、労働安全衛生法に基づいた対応をしっかり行い、従業員の健康を第一に考えた職場環境を整えていきましょう。
【産業医について】
弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。
【代表紹介】 野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
- 2021年8月 エターナルフィット西町南 開業
- 2022年11月 エターナルフィット厚別 開業
- 2024年7月 エターナルフィット円山 開業
【各種資格】
- 救急科専門医
- 産業衛生専攻医
- 脳神経外科専門医
- 脳卒中専門医
- 脳血管内治療専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 産業医
- 労働衛生コンサルタント
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- 健康運動指導士
- 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)
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