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企業が対応すべき健康増進法改正|受動喫煙防止と禁煙支援のポイント

タバコ 喫煙

「社内に喫煙スペースがあって、何とか屋外で吸ってもらえるようにしてほしい」

「社長に分煙の相談をしたら、お金がかかるので我慢してほしいと言われた」

喫煙による健康被害は以前より言われており、企業としても従業員の健康管理のために積極的に取り組んでいる企業が多くなっています。一方で、経営陣が喫煙者である職場では、中々分煙が進まず、担当者の方も頭を悩ましているのではないでしょうか。

今回は「企業が対応すべき健康増進法改正|受動喫煙防止と禁煙支援のポイント」をテーマに記事を作成しました。ぜひ最後までご覧ください!

 

健康増進法改正とは?企業が対応すべきポイント

健康増進法改正の概要と目的

健康増進法は、国民の健康維持・増進を目的とした法律ですが、2018年の改正により受動喫煙防止対策が大幅に強化されました。特に、2020年4月からは企業や施設に対してより厳格な喫煙対策が義務付けられています。

改正の主な目的は以下の3点

子どもや患者への配慮

保育所、学校、病院などでは特に厳格な禁煙対策を求める。

受動喫煙の防止

非喫煙者がたばこの煙による健康被害を受けないようにする。

望まない受動喫煙をなくす

「望まない受動喫煙をなくす」とは、非喫煙者が自分の意思に反してたばこの煙にさらされることを防ぐという考え方です。例えば、休憩スペースや出入口付近など、たばこを避けづらい場所での喫煙は、特に配慮が求められます。

受動喫煙

受動喫煙防止対策の強化内容

健康増進法の改正により、企業には以下の義務が課されました。

  • 屋内原則禁煙(一部例外あり)
  • 喫煙専用室の設置 – 改正健康増進法では、屋内は原則禁煙となっています。ただし、法令で定める基準を満たした「喫煙専用室」などを設けた場合に限り、屋内での喫煙が認められています。
  • 標識の設置義務 – 喫煙可能な場所には適切な標識を掲示する必要がある。
  • 従業員や来訪者への周知 – 喫煙ルールを明確にし、社内外に周知する。

企業が守るべき義務と罰則

企業がこの法律に違反した場合、行政から指導が入るほか、悪質な場合には最大50万円の過料が課される可能性があります(健康増進法第28条)。なお、過料は喫煙ルールを守らなかった個人ではなく、施設の管理者(企業や施設の責任者)に科されることになります。また、企業の社会的信用を失うリスクもあるため、適切な対策が求められます。

会社での禁煙対策が必要な理由

受動喫煙が従業員の健康に与える影響

受動喫煙による健康被害は深刻で、以下のような影響が報告されています。

  • 肺がんや心疾患のリスク増加(非喫煙者でも、受動喫煙によりリスクが上昇)
  • 喘息や慢性気管支炎の悪化
  • 妊娠中の女性への影響(低出生体重児のリスク増加)

企業が適切な受動喫煙防止対策を講じることは、従業員の健康を守るだけでなく、労働生産性の向上にもつながります。

喫煙が業務効率・企業イメージに与えるデメリット

喫煙は個人の自由ですが、職場においては生産性の低下企業イメージの悪化につながる可能性があります。

  • 喫煙による業務時間のロス(喫煙者は1日あたり平均約40分の喫煙休憩を取る)
  • タバコ臭による取引先や顧客の印象低下
  • 喫煙による健康リスクが原因での医療費負担増加

禁煙推進による企業のメリット

禁煙対策を推進することで、企業は以下のようなメリットを得られます。
従業員の健康改善と医療費の削減
労働生産性の向上(喫煙休憩時間の削減)
企業ブランドの向上(CSR活動の一環として評価される)

企業が実施すべき受動喫煙防止対策

喫煙専用室の設置基準と運用ルール

企業の屋内で喫煙を認める場合、以下の基準を満たした

「喫煙専用室」の設置が必要です。

未成年者の立ち入りを禁止する

たばこの煙が外に漏れない構造

喫煙室の出入口に「喫煙専用室」の表示をする

分煙

禁煙・分煙のルール策定と社員への周知方法

  • 社内禁煙ルールを策定し、就業規則に明記する
  • 社内掲示板や社内報を活用し、ルールを周知する
  • 喫煙者向けの禁煙プログラムを用意する(例:禁煙治療の補助)

禁煙をサポートする補助金・助成金情報

受動喫煙防止対策助成金(厚生労働省)

内容: 喫煙専用室の設置・改修費用を助成
助成額: 費用の1/2(上限100万円)
対象企業: 中小企業

厚生労働省では、職場における受動喫煙防止のために喫煙専用室を設置・改修する中小企業に対し、費用の一部を助成しています。喫煙専用室の新設や既存設備の改修にかかる工事費や設備費などが対象となり、設置に必要な空調設備や仕切り、換気装置の導入費用も助成対象です。

助成額は、工事および設備費用の1/2以内で、上限は100万円です。企業負担を軽減し、従業員が健康的な環境で働ける職場作りを支援することを目的としています。申請にあたっては、事前の計画承認や施工後の完了報告が必要で、年度ごとの予算枠がありますので、早めの手続きがおすすめです。

※助成制度の内容は年度ごとに変更されることがあるため、最新情報は厚生労働省のHPをご確認ください。

 受動喫煙防止対策助成金

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049868.html

健康保険組合の禁煙治療補助制度

内容: 社員が医療機関で禁煙治療を受ける際の費用を補助
助成額: 健康保険組合により異なる(例:治療費の50%補助)
対象者: 企業の従業員

自治体独自の禁煙支援補助金

一部の自治体では、企業の禁煙推進活動を支援する補助金制度があります。
例:東京都 –「受動喫煙防止対策支援補助金 」(上限10万円)

※令和6年度はすでに締め切っています。来年度も実施する可能性があるので気になる方は確認してみましょう!

https://www.hokeniryo1.metro.tokyo.lg.jp/kensui/kitsuen/insyokutentaisaku/insyokutenhojo/index.html

※補助制度の内容や条件は、健康保険組合・自治体により異なります。詳細は各機関の公式情報をご確認ください。

企業が今すぐ取り組むべき禁煙対策まとめ

企業にとって、受動喫煙防止対策の強化は法律遵守だけでなく、従業員の健康と企業価値を高める重要な取り組みです。
屋内禁煙の徹底と喫煙専用室の設置
禁煙支援プログラムの導入(禁煙外来補助など)
助成金を活用してコストを抑えた禁煙環境整備

今後も企業の社会的責任(CSR)の一環として、健康経営の観点から禁煙推進を進めていきましょう。

【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平

野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

【各種資格】

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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