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職場でのウイルス性胃腸炎(ノロウイルスなど)対策

胃腸炎

ウイルス性胃腸炎は、特に冬季に流行しやすく、職場で集団感染を引き起こすことがあります。特にノロウイルスは感染力が非常に強く、少量のウイルスでも発症するため、適切な対策が不可欠です。本記事では、職場でのウイルス性胃腸炎の予防策と、万が一発生した場合の対応について詳しく解説します。


ウイルス性胃腸炎とは?

主な原因となるウイルス

ウイルス性胃腸炎の原因となるウイルスには、以下のようなものがあります。

  • ノロウイルス(冬季に流行し、感染力が極めて強い)
  • ロタウイルス(主に乳幼児が感染するが、大人も感染することがある)
  • アデノウイルス(年間を通じて発生し、風邪のような症状を伴うことが多い)

特に冬季になるとノロウイルスの流行がみられ、他のウイルス感染と違い成人にも発症しやすく、家庭内感染を起こしやすいです。

【ノロウイルスについて】 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/norovirus

感染経路

ウイルス性胃腸炎は、主に以下の方法で感染します。

  1. 経口感染(ウイルスが付着した手で口に触れる、汚染された食品を食べる)
  2. 飛沫感染(嘔吐物や下痢便から発生する微粒子を吸い込む)
  3. 接触感染(感染者が触れたドアノブやデスクを介して感染)

主な症状

ウイルス性胃腸炎の代表的な症状は以下の通りです。

  • 吐き気、嘔吐
  • 下痢(水のような便が出ることが多い)
  • 腹痛、胃の不快感
  • 発熱(ノロウイルスの場合は微熱が多い)
  • 倦怠感

症状は通常1〜3日程度で改善しますが、脱水症状には注意が必要です。


職場での予防対策

手洗いの徹底

ウイルス性胃腸炎の予防には、手洗いが最も重要です。特に以下のタイミングで、石けんと流水を使って30秒以上しっかり洗いましょう。

  • トイレ使用後
  • 食事や飲み物を口にする前
  • 他人と共用のもの(電話、PCなど)を使用した後
  • 嘔吐物や排泄物の処理後

アルコール消毒は有効ですが、ノロウイルスには効果が限定的なため、必ず石けんと流水での手洗いを行いましょう。

環境の清掃と消毒

職場内の清潔を保つことも重要です。

多くの人が触れる場所は重点的に消毒しましょう。

  • ドアノブ、電気スイッチ、エレベーターのボタン
  • デスク、キーボード、マウス
  • 共有の冷蔵庫や電子レンジの取っ手

次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)を0.1%(1000ppm)に薄めた消毒液がノロウイルスには効果的です。

従業員の健康管理

  • 下痢や嘔吐の症状がある場合は無理をせず出勤を控える
  • 感染者が発生した場合、少なくとも2日間は休養する(症状が治まった後もウイルスが排出されるため)
  • 体調不良を感じた場合は、すぐに上司や産業医に報告する

感染者が出た場合の対応

感染者の隔離と出勤停止

感染者が出た場合は、速やかに対応することが重要です。

  1. 症状がある従業員は速やかに帰宅・休養
  2. トイレや休憩室などの使用を制限し、汚染拡大を防ぐ
  3. 復帰の目安は「症状消失後48時間以上」(感染力が残るため)

嘔吐物や排泄物の適切な処理

嘔吐物や排泄物の処理を誤ると、ウイルスが空気中に飛散し、二次感染のリスクが高まります。以下の手順で慎重に処理しましょう。

  1. 使い捨て手袋、マスク、エプロンを着用
  2. ペーパータオルで静かに拭き取り、ビニール袋に密閉
  3. 次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)で消毒
  4. 処理後は必ず手をしっかり洗う

業務継続のための対策

  • 感染が広がった場合は、一時的なテレワークの導入も検討
  • 交代制勤務を取り入れ、リスク分散を図る
  • 業務に支障が出る場合、外部のサポート(派遣社員の活用など)を検討

産業医の役割と企業の対応

産業医のサポート

  • 感染症予防の研修を実施し、従業員の意識を向上させる
  • 体調不良者へのアドバイスを行い、適切な休養を促す
  • 感染者発生時の対応を企業と連携して進める

企業が取り組むべき対策

  • 感染症対策のガイドラインを策定し、周知徹底する
  • 消毒用の次亜塩素酸ナトリウムや手袋などを常備する
  • 有症者が安心して休めるよう、有給休暇や特別休暇の整備を進める

まとめ

職場でのウイルス性胃腸炎(特にノロウイルス)対策として、手洗いの徹底、環境の消毒、体調不良者の早期対応が鍵となります。感染が拡大すると業務に大きな影響が出るため、企業としての対応力を高めることが重要です。

産業医や管理職が主導し、職場全体で予防意識を高めることが、健康で快適な職場環境を維持するポイントです。

【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平

野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

【各種資格】

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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