「インフルエンザや体調不良で社員が休みがちであり、現場が回らない」
「腰痛や肩こりのせいで、仕事の効率が落ちている」
皆さんは仕事をしているとき、本来のパフォーマンスを発揮できていますか?問題なく仕事を効率的にできている時を100%とすると、多くの方は80%くらいしか発揮できていないという統計があります。
本日は「健康経営におけるプレゼンティーズムとアブセンティーズムの重要性」をテーマに記事を作成しました。最後までご覧ください!
目次
健康経営とは?なぜ重要なのか
● 健康経営とは
健康経営とは、企業が従業員の健康を戦略的に管理し、働きやすい環境を整えることで生産性の向上や経営基盤の強化を目指す考え方です。近年、少子高齢化や労働力不足が深刻化する中で、一人ひとりのパフォーマンス向上が求められています。
● 健康経営のメリット
- 生産性の向上:健康な従業員ほど業務効率が高い
- 医療費の削減:病気予防により企業の医療費負担が軽減される
- 企業イメージの向上:従業員を大切にする企業は採用競争でも有利
特に、プレゼンティーズム(病気を抱えながらの勤務)とアブセンティーズム(病欠)を減らすことは、企業の売上に直結する重要な要素となります。
プレゼンティーズムとアブセンティーズムの違いとは?
● プレゼンティーズムとは
プレゼンティーズム(Presenteeism)とは、従業員が出勤しているものの、健康問題により十分なパフォーマンスを発揮できていない状態を指します。例えば、頭痛、腰痛、睡眠不足、精神的ストレスなどが影響し、業務の質が低下します。
● アブセンティーズムとは
アブセンティーズム(Absenteeism)とは、病気やケガで欠勤する状態を指します。急性疾患、メンタルヘルス不調などが原因となり、企業は業務の遅れや人手不足に直面します。
● 企業への影響
項目 | プレゼンティーズム | アブセンティーズム |
定義 | 出勤しているが生産性が低い | 病気やケガで欠勤する |
主な原因 | 慢性的な体調不良、ストレス、疲労 | 急性疾患、重病、メンタル不調 |
企業への影響 | 生産性の低下、業務遅延 | 人手不足、業務負担の増加 |
プレゼンティーズム・アブセンティーズムと企業の売上への影響
● 企業にかかるコストは「医療費の3倍」
企業が負担する従業員の健康関連コストは、直接的な医療費の3倍にのぼるとされています。特に、プレゼンティーズムとアブセンティーズムの影響は大きく、これらを改善することで売上の向上につながります。
● 売上への影響
1. 個人事業主の場合
- アブセンティーズム(病欠) → 仕事を休んだ日の売上は 0円
- プレゼンティーズム(体調不良での勤務) → パフォーマンス 20%低下
- 年収800万円のケース
- 年5回の病欠 → 約10万円の減収
- 慢性的な不調による20%のパフォーマンス低下 → 160万円の減収
- 1%のパフォーマンス向上 → 8万円の増収
2. 企業(従業員50名、年商5億円)のケース
- アブセンティーズム(病欠)
- 平均年間4日の病欠 → 400万円の減収
- プレゼンティーズム(出勤しているがパフォーマンス低下)
- 平均85%のパフォーマンス → 7,500万円の減収
● 健康投資が売上向上のカギ
これらのデータからも分かる通り、健康への投資は、単なる福利厚生ではなく、売上に直結する重要な経営戦略です。
健康経営を成功させるための具体的な施策
健康経営は、従業員の健康を維持・向上させることで生産性を高め、企業の持続的な成長につなげる重要な戦略です。単なる福利厚生ではなく、経営戦略の一環として健康施策を実施することで、プレゼンティーズム(出勤しているが健康問題により生産性が低下している状態)やアブセンティーズム(病気や体調不良による欠勤)を防ぎ、企業の競争力を向上させることができます。
ここでは、健康経営を成功させるための具体的な施策を5つ紹介します。
定期健康診断とフォローアップの強化
健康診断の実施は法律で義務付けられていますが、それだけでなく、結果を活用して従業員の健康リスクを管理することが重要です。
- 早期発見・予防医療の徹底
生活習慣病やメンタルヘルスの問題を早期に発見し、適切な対応を取ることで重症化を防ぎます。 - 産業医や保健師によるアフターフォローの充実
健康診断の結果に応じた個別面談を実施し、生活習慣改善のアドバイスを行うことで、従業員の健康意識を高めます。 - 健康データの活用
ウェアラブルデバイスや健康管理アプリを導入し、従業員が自身の健康状態を把握しやすくする仕組みを整えます。
メンタルヘルス対策の充実
メンタルヘルスの不調は、業務の生産性低下や離職率の増加を引き起こすため、予防と早期対応が重要です。
- ストレスチェックの定期実施
厚生労働省の義務化に準じてストレスチェックを実施し、職場環境の課題を把握します。 - 企業内カウンセリングサービスの導入
社内カウンセラーの設置や外部相談窓口を活用し、従業員が気軽に相談できる体制を整えます。 - 上司や同僚のメンタルヘルス教育
管理職向けに部下のメンタルヘルスを支援する研修を実施し、職場全体でメンタルヘルスの向上を目指します。
柔軟な働き方の導入
働き方の柔軟性を高めることで、ストレスや過労を軽減し、心身の健康を維持できます。
- リモートワークやフレックスタイム制の活用
働く場所や時間の選択肢を増やし、ワークライフバランスを向上させます。 - 休暇取得の奨励
有給休暇の取得率を向上させるため、計画的な休暇取得を推奨し、リフレッシュできる環境を整えます。 - 育児・介護支援制度の強化
育児休業や介護休業の利用を促進し、家庭と仕事の両立を支援します。
健康促進プログラムの実施
健康的な生活習慣を促すプログラムを導入し、従業員の健康意識を向上させます。
- 社内フィットネスやウォーキングイベントの導入
オフィス内に簡単な運動スペースを設置したり、ウォーキングイベントを定期開催することで、運動習慣の定着を促します。 - 禁煙サポートや食生活改善プログラムの実施
禁煙外来の費用補助や健康的な食事の提供など、従業員の生活習慣を改善する支援を行います。
職場環境の改善
快適な職場環境を整備することで、働きやすさを向上させ、健康リスクを軽減します。
- エルゴノミクス(人間工学)を取り入れたデスク環境の整備
姿勢改善を目的としたスタンディングデスクや人間工学に基づいたチェアの導入を検討します。 - 快適なオフィス空間の提供
適切な照明や空調の管理、リラックススペースの設置を行い、働きやすい環境を整えます。
まとめ:健康経営が企業の未来を支える
プレゼンティーズムとアブセンティーズムの削減は、企業の売上に直結する重要な課題です。健康経営に本格的に取り組むことで、従業員の生産性を向上させ、経営基盤を強化することができます。
健康は最大の投資先 であり、企業の持続可能な成長のためには不可欠な要素です。今こそ、健康経営の推進に本気で取り組み、従業員の健康を守りながら、企業の発展を目指しましょう。
【産業医について】
弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。
【代表紹介】 野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
- 2021年8月 エターナルフィット西町南 開業
- 2022年11月 エターナルフィット厚別 開業
- 2024年7月 エターナルフィット円山 開業
【各種資格】
- 救急科専門医
- 産業衛生専攻医
- 脳神経外科専門医
- 脳卒中専門医
- 脳血管内治療専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 産業医
- 労働衛生コンサルタント
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- 健康運動指導士
- 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)
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