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【要注意】健康診断の事後措置とは

はじめに

「事後処置?うちの会社は全員健康診断を受けてもらっているから大丈夫」

「有所見の人は自分で勝手に医療機関に受診しているから会社は把握していない」

「毎年2-3人は病気で入院しているけど、毎年のことだからねー」

健康診断を受けた後、事業者には法的な義務として「事後措置」を講じる必要があります。事後措置とは、従業員の健康を維持し、職場環境の改善を図るために、健康診断の結果を基に適切な対応を行うことを指します。

労働者が50人以上はもちろんのこと、50人未満の企業でも事後措置を適切に行わないと労働基準監督署から指導されます。労働基準監督署から指導を受けると、事後処置以外の他のことも指摘されやすくなり、企業としてのリスク管理上も重要なポイントとなります。

本記事では、健康診断の事後措置に関する4つの義務について詳しく解説し、事業者が遵守すべきポイントを整理します。

そもそも健康診断を受けなければいけないのか

大前提として、事業者は労働者に対する安全配慮義務を果たさなければなりません!

役員は労働者ではないので、労働安全衛生法の安全配慮義務から外れてきます。

しかし健康経営優良法人の認定では、役員の健康診断受診も推奨されています。

健康診断後の4つの義務

健康診断の事後措置として、企業に求められる主な対応は以下の4つです。

健康診断の結果の保存(法定義務)

労働安全衛生法に基づき、事業者は健康診断の結果を適切に管理し、一定期間(5年間)保存することが義務付けられています。

保存のポイント:

  • 個人情報の保護を考慮し、適切な管理体制を整える
  • 紙媒体・電子媒体のいずれかで保存可能
  • 労働基準監督署の指導時に提出できるよう整備する

産業医・保健師による保健指導

健康診断の結果、異常が見つかった従業員に対しては、産業医や保健師による適切な保健指導を行う必要があります。

保健指導の内容:

  • 生活習慣改善の指導(食事・運動・睡眠など)
  • 再検査や精密検査の受診勧奨
  • ストレスやメンタルヘルスのケア

この指導により、従業員の健康リスクを軽減し、長期的な健康管理をサポートできます。

産業医による就業判定

健康診断の結果に基づき、健康状態によっては、産業医の意見を踏まえた就業措置が求められます。

就業判定の種類:

  • 通常業務継続可能:特に問題がなく、業務を継続可能
  • 一定の配慮が必要:軽作業への変更や労働時間の短縮が必要
  • 業務の一時停止が必要:健康リスクが高く、業務を一時中断する必要あり

この判定をもとに、従業員の健康状態を考慮した適切な働き方を企業が整えることが求められます。

労働基準監督署への報告書の提出

健康診断の結果を分析し、必要に応じて労働基準監督署へ報告書を提出する義務があります。

報告が必要なケース:

  • 一定割合以上の従業員に異常所見が認められた場合
  • 特定の職種(有害業務に従事する者)に対する健康診断結果
  • 事業所ごとに年1回の定期健康診断結果の報告

適切な報告を行うことで、企業のコンプライアンスを維持し、労働環境の適正化に貢献できます。

事後措置を怠るとどうなる?

事業者が健康診断の事後措置を適切に行わないと、労働基準監督署から以下の指導を受ける可能性があります。

  1. 法的リスク
    • 労働安全衛生法違反として、労働基準監督署から指導や是正勧告を受ける可能性がある。
    • 場合によっては罰則が科されることも。
  2. 従業員の健康リスク
    • 適切な健康管理ができず、従業員の健康状態が悪化する可能性。
    • 職場での労働災害や長期休職者の増加につながる。
  3. 企業の評判リスク
    • 健康管理を怠る企業とみなされ、採用や取引に悪影響を及ぼす可能性。
    • 働きやすい環境を提供できない企業として評価される。

健康診断の事後措置をスムーズに進めるために

企業がスムーズに事後措置を実施するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  1. 健康診断結果を速やかに把握する
    • 結果を従業員へ迅速に通知し、対応が必要な場合は速やかにフォローアップを行う。
  2. 産業医・保健師との連携を強化する
    • 事後措置が適切に行われるよう、定期的な相談やミーティングを実施する。
  3. 従業員の健康意識を高める
    • 健康診断の重要性や、事後措置を適切に受けることのメリットを周知する。

まとめ

健康診断の事後措置は、企業が従業員の健康を守るために欠かせない取り組みです。

特に、以下の4つの義務を確実に実施することが求められます。

  1. 健康診断の結果の保存
  2. 産業医・保健師による保健指導
  3. 産業医による就業判定
  4. 労働基準監督署への報告書の提出

適切な事後措置を講じることで、企業のコンプライアンスを強化し、従業員の健康と職場環境の向上につながります。

ぜひ、本記事を参考に、自社の健康診断後の対応を見直し、より良い職場環境を築いていきましょう!

定期的に 株式会社NoLaBo 札幌産業保健サービス より産業医、産業保健サービス、健康経営などを情報発信していきます。弊社では、産業医サービスや健康経営支援を提供し、企業の職場環境改善をサポートしています。弊社のサービスが多くの企業に伝わり、ともに成長できる企業になれることを願っております。


【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平 

【略歴】 
2013年旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得
その後、脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
2021年8月エターナルフィット西町南 開業
2022年11月エターナルフィット厚別 開業
2024年7月エターナルフィット円山 開業

 【各種資格】
・救急科専門医
・産業衛生専攻医
・脳神経外科専門医
・脳卒中専門医
・脳血管内治療専門医
・日本医師会認定健康スポーツ医
・産業医
・健康経営エキスパートアドバイザー
・健康運動指導士
・公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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