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なぜ会社に産業医が必要?【完全ガイド】

なぜ会社に産業医が必要?【完全ガイド】

企業の健康管理を最適化するために産業医が必須な理由

「毎年健康診断で引っかかるが、会社からは何も言われない」

「安全上、社内の環境に不満のある社員が多いけど、経営者は見向きもしない」

「前ブログで読んだけど、従業員が50人以上いる会社は産業医を必ず選任しないといけないらしいけど、うちの会社で見たことない」

企業の生産性向上や従業員の健康管理を考える際、「産業医」の役割がますます重要視されています。特に50人以上の従業員を抱える企業では、産業医の選任が法律で義務付けられており、職場環境の整備や従業員のメンタルヘルス対策に欠かせない存在となっています。

「産業医を導入すべきか?」 「導入するとどのようなメリットがあるのか?」

このような疑問をお持ちの企業担当者の方へ、本記事では産業医の役割、企業にとっての必要性、そして導入することで得られるメリットを徹底解説します。わかりやすくまとめたので、ぜひ最後までご覧ください。

産業医とは?

産業医とは、企業で働く従業員の健康を管理し、職場環境の改善を支援する医師のことです。労働安全衛生法に基づき、一定の条件を満たす企業では産業医の選任が義務付けられています。特に50人以上の労働者がいる事業場では、産業医の設置が必須となっています。

企業が産業医を必要とする理由

1. 法令遵守(コンプライアンス)

日本の労働安全衛生法では、企業は従業員の健康管理を適切に行う義務があります。産業医を選任し、健康診断の実施や職場環境の整備を行うことは、企業にとって法的な責任を果たすために必要不可欠です。これを安全配慮義務と呼びます。産業医を選任していない場合、企業は4つの責任を負う可能性があります。

「刑事的責任」「民事的責任」「行政的責任」「社会的責任」です。

安全配慮義務は民事的責任となります。これら4つの責任は企業の根幹を揺るがす問題になるため、特に経営者は知らなければならない問題となります。4つの責任については今後詳細な記事を書くので参考にしてください。

2. 労働者の健康管理

労働者を1人でも雇っている場合は、必ず健康診断を受けさせなければなりません。企業側は安全配慮義務として、従業員に健康診断の重要性を伝え、従業員は特別な理由がない限り受けにいく必要があります。従業員の健康状態を定期的にチェックし、異常が見つかった場合は適切な対応を取ることが求められます。過労やストレスによる健康被害を未然に防ぐために、産業医が専門的なアドバイスを提供します。

3. メンタルヘルス対策

車のメンテナンスは「車検」ですが、身体のメンテナンスは「健康診断」です。では心のメンテナンスは何かというと「ストレスチェック」になります。2015年より50人以上の企業ではストレスチェックが義務化となりました。近年、職場におけるメンタルヘルス問題が増加しており、従業員のストレスチェックやカウンセリングが重要視されています。産業医は、ストレスチェックの結果を分析し、必要に応じて企業に改善策を提案します。「現在、ストレスチェックの義務範囲の拡大が議論されており、今後の動向に注目が​​必要です。まだストレスチェックを導入していない場合は一度弊社までご相談ください。

4. 労災防止と職場環境の改善

産業医は職場を定期的に巡視し、危険な作業環境や労災リスクがないかを確認します。また、作業環境の改善を通じて従業員の健康維持をサポートします。しかし世の中には職場巡視を適切に実施していない産業医もいるため、選択任の際には実績や業務内容を確認することが重要です。職場巡視を行っていない場合、4つの責任のうち「刑事的責任」を負うこととなり、事業者と産業医の両方が罰せられます。会社の経営者として、そのような産業医を選任しないようご注意ください

5. 生産性の向上

健康な従業員は業務効率が高まり、企業の生産性向上にも貢献します。病気による欠勤や離職を防ぐことで、企業の安定した運営を支援する役割も果たします。

以上の理由より、企業の健康管理を最適化するために産業医が不可欠となります。

産業医が行う主な業務

1. 健康診断の実施と結果評価

企業は従業員に対し、定期健康診断や特定業務従事者健康診断を実施する義務があります。産業医はその結果を評価し、異常がある従業員に適切な助言を行います。

2. 職場巡視と環境改善指導

産業医は職場を巡視し、作業環境が労働安全基準に適合しているかを確認します。問題がある場合は、企業に対し改善策を提案します。

3. 過重労働者の面談指導

長時間労働が続くと、心身に悪影響を及ぼす可能性があります。産業医は、時間外労働が一定の基準を超えた従業員との面談を行い、健康状態を確認します。

4. メンタルヘルス支援

ストレスチェックの実施やメンタルヘルス対策を企業とともに進め、従業員の心の健康を守ります。

5. 感染症対策

新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症が流行した際に、適切な感染予防対策を講じることも産業医の重要な役割の一つです。季節性インフルエンザの場合、企業の労働者のうち、50%以上が接種すると集団免疫を獲得でき、80%以上が接種すると理論的には企業内では流行しないという報告がございます。企業内で行う集団接種を行っている医療機関は少ないため、まずは健康診断を実施している医療機関で相談してください。企業内で集団接種を実施している医療機関は限定されています。詳細は健康診断を実施している医療機関にご相談ください。

産業医の選任基準と企業の義務

1. 産業医の選任義務

労働安全衛生法により、常時50人以上の労働者を使用する事業場は、産業医を選任しなければなりません。また、特定の有害業務を行う事業場では、より厳格な健康管理が求められます。

2. 産業医の資格要件

医師=産業医ではございません。医師免許を取得後に一定の研修を経て、産業医資格を取得することができます。医師は30万人以上いますが、産業医は約10万人で、産業医として活動しているのは1万にも満たないといわれております。また平均年齢が60歳を超えているので、初めて産業医を選任する場合はできるだけ若いけど経験のある産業医をお勧めします。今後企業を何十年も継続するために、高齢の産業医の場合、時代の潮流についていけず、気軽に相談するのも難しい場合が多く、最近、産業医の選考任や変更に関するご相談がございます。選考任の際には、経験や企業との相性も重要なポイントです。産業医の選任でお困りのことがあれば協力できますので、ご相談ください。

3. 企業の義務

企業は、産業医の指導を受け、職場環境を改善する義務があります。また、産業医が業務を適切に遂行できるように、必要な情報提供を行うことも求められます。

私が産業医として最初に訪問する際に、その企業の安全衛生上の問題を把握し、できるだけ早期に導入したほうが良い法令順守と、1年かけてゆっくり整えていく法令順守について説明し、企業に実装していきます。

まとめ

産業医は、従業員の健康を守り、企業のリスクを低減するために不可欠な存在です。企業が産業医を適切に活用することで、労働環境の改善、従業員の健康維持、生産性の向上につながります。企業の健全な発展のために、産業医を上手に活用しましょう。


【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平 

【略歴】 
2013年旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得
その後、脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
2021年8月エターナルフィット西町南 開業
2022年11月エターナルフィット厚別 開業
2024年7月エターナルフィット円山 開業

 【各種資格】
・救急科専門医
・産業衛生専攻医
・脳神経外科専門医
・脳卒中専門医
・脳血管内治療専門医
・日本医師会認定健康スポーツ医
・産業医
・健康経営エキスパートアドバイザー
・健康運動指導士
・公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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