――産業医の視点で考える、企業が見逃してはいけないサイン――
企業の人事・総務、経営層の方から
「ある日突然、社員が長期休職に入った」
「体調不良を理由に、想定外の離職が発生した」
という相談を受けることは少なくありません。
こうしたケースの背景を丁寧に見ていくと、生活習慣病の兆候が長期間放置されていたという共通点が浮かび上がります。
生活習慣病は単なる“個人の健康問題”ではなく、休職・離職リスクを高める経営課題でもあります。
本記事では、産業医の立場から
- 生活習慣病がなぜ休職・離職につながるのか
- 企業が見逃しやすいサイン
- 予防のために産業保健としてできること
を詳しく解説します。
目次
生活習慣病は「静かに進行するリスク」
生活習慣病の特徴は、初期には自覚症状がほとんどない点です。
健康診断で
- 血圧がやや高い
- 血糖値が基準値を超え始めている
- 脂質異常を指摘されている
といった所見があっても、本人は「まだ大丈夫」「忙しいから後回し」と考えがちです。
しかし実際には、
- 疲労感が取れない
- 集中力が低下する
- 些細なことでイライラする
といった業務パフォーマンスの低下が、少しずつ進行しています。
この段階で適切な介入がなされないと、心身のバランスが崩れ、突然の体調悪化やメンタル不調を引き金に休職へ至るケースが少なくありません。
生活習慣病とメンタル不調は密接に関係している

産業医面談の現場では、次のような流れをよく目にします。
- 長時間労働や不規則な生活が続く
- 生活習慣病の数値が悪化する
- 睡眠の質が低下し、慢性的な疲労が蓄積
- 不安感・抑うつ気分が強まる
- ある日突然、出勤できなくなる
この流れの怖い点は、本人も周囲も「予兆」に気づきにくいことです。
「体調不良=メンタルの問題」と捉えられがちですが、実際には身体の不調がメンタル不調を引き起こすケースも非常に多く見られます。
生活習慣病は、心と体の両方に影響を与えるリスク因子なのです。
健康診断結果を「見ただけ」で終わらせていませんか?
多くの企業で、健康診断は次のような扱いになっています。
- 結果を本人に返却して終わり
- 要再検査でもフォローは本人任せ
- 産業医面談は重症者のみ
この運用では、休職・離職につながる“予備軍”を見逃す可能性が高いと言えます。
特に注意すべきなのは、
- 複数年連続で数値が悪化している社員
- 若年層なのに生活習慣病の指摘がある社員
- 忙しさを理由に受診していない社員
こうした社員は、数年後に突然の戦線離脱を起こすリスクが高い傾向にあります。
休職・離職が企業にもたらす本当のコスト
社員一人の休職・離職は、単なる人員減少ではありません。
- 業務の属人化による生産性低下
- 周囲の社員への業務負荷増大
- チーム全体のモチベーション低下
- 採用・育成コストの増加
これらはすべて、事前に予防できた可能性のあるコストです。
生活習慣病対策を「福利厚生」として捉えるのではなく、経営リスクマネジメントの一環として考えることが、これからの企業には求められます。
産業医が果たせる役割とは
産業医は、単に法令対応を行う存在ではありません。
- 健康診断結果の経年変化を踏まえた助言
- 生活習慣病リスクの早期抽出
- 業務負荷や働き方を考慮した就業上の配慮提案
- メンタル不調への進展を防ぐための介入
これらを通じて、「突然の休職・離職」を未然に防ぐ役割を担います。
特に重要なのは、症状が重くなる前の段階で面談につなげることです。
「まだ働けているから大丈夫」という時期こそ、産業医介入の価値が高いと言えます。
企業として今すぐ取り組むべきポイント
生活習慣病を休職・離職の前兆として捉えた場合、企業が取るべき行動は明確です。
- 健康診断結果を“点”ではなく“線”で見る
- 要再検査・要指導者へのフォロー体制を整える
- 産業医面談のハードルを下げる
- 長時間労働や業務負荷の構造的課題に目を向ける
これらはすべて、社員を守ると同時に企業を守る施策です。
まとめ ~生活習慣病は「個人任せ」にしない~
生活習慣病は、ある日突然表面化します。
そしてそのタイミングは、休職や離職という形で企業に大きな影響を及ぼすことが少なくありません。
だからこそ、
「自己管理の問題」と切り捨てるのではなく、
産業保健の視点で早期に関わることが重要です。
株式会社NoLaBoでは、産業医による実践的な産業保健サービスを通じて、
社員の健康と企業の持続的成長を支援しています。
生活習慣病の“その先”にあるリスクを、今一度見直してみませんか。
株式会社NoLaBoが提供する産業保健サービス
弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。
- 2021年8月 エターナルフィット西町南 開業
- 2022年11月 エターナルフィット厚別 開業
- 2024年7月 エターナルフィット円山 開業
- 救急科専門医
- 産業衛生専攻医
- 脳神経外科専門医
- 脳卒中専門医
- 脳血管内治療専門医
- 日本医師会認定健康スポーツ医
- 産業医
- 労働衛生コンサルタント
- 健康経営エキスパートアドバイザー
- 健康運動指導士
- 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)
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