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産業医面談と保健師面談の違いとは?現場で役立つ理解と対応法

保健師面談 アイキャッチ

会社から産業医や保健師と面談をするように言われたことはありませんか?

産業医面談と保健師面談は役割が違い、コンプライアンスにも関わります。

本日は「産業医面談と保健師面談の違いとは?現場で役立つ理解と対応法」をテーマにした記事を作成しました。ぜひ最後までご覧ください!

産業医面談と保健師面談とは?基本的な役割と目的を解説

企業で働く従業員の健康を守るためには、体調不良やメンタル不調の早期発見と、適切な対応が求められます。そこで重要な役割を果たすのが「産業医面談」と「保健師面談」です。

まず、産業医面談は、法律に基づき実施されることが多く、主に健康診断結果が要精査であった場合や、長時間労働者への対応、メンタルヘルス不調者へのフォローなどを目的としています。

一方で、保健師面談は、より日常的かつ柔軟な支援を目的としており、従業員との信頼関係を築きながら、健康に関する助言やカウンセリング的な対応を行う場です。

両者は同じ「面談」という形式でも、役割や目的が異なるため、明確に使い分ける必要があります。

産業医と保健師の違い:資格・業務・面談内容の比較

項目産業医保健師
資格医師免許+産業医研修保健師国家資格
面談の法的位置付け労働安全衛生法などに基づく法的義務ではなく任意実施が多い
面談内容医学的見地からの指導・意見書作成健康相談、生活習慣改善支援など
役割法令遵守、職場環境改善の助言従業員との信頼構築、健康教育

産業医は医師としての資格を持ち、企業内の「安全衛生体制の中核」としての役割を担っています。特に、復職判定や就業制限の助言など、企業の意思決定に直接影響する重要な判断を求められます。

対して保健師は、よりソフトなアプローチで従業員の未病の段階での支援を行う存在です。時には「相談しやすい存在」として従業員の本音を引き出す橋渡し役にもなります。

産業医面談が行われるタイミングと主な対象者

産業医面談は、以下のようなタイミングで実施されます。

  • 健康診断で有所見があった場合
  • 月80時間超の残業者への面談(法定義務)
  • メンタル不調による休職・復職時
  • 上司や人事からの相談に基づく対応

産業医面談として法定義務があるものは2つあり、

・長時間労働者への面接

・高ストレス者への面接(ストレスチェックの結果)

また、対象となる従業員は「体調不良を訴えた人」「職場で不適応な行動が見られる人」「復職を希望している人」など、比較的状態が重いケースが多いです。

この面談では、就業継続の可否や、職場環境改善の必要性など、明確な判断や提言が求められるため、医師としての知見をもって臨む必要があります。

保健師面談の特徴と効果的な活用方法

保健師面談は、産業医面談のように「診断」や「意見書作成」は行わないものの、従業員のセルフケアを促進するという意味で非常に有効です。

以下のようなテーマで実施されることが多いです。

  • 生活習慣病予防のための面談
  • ストレスチェック後のフォロー面談
  • 職場でのちょっとした悩み相談
  • 妊娠中・育児中の従業員サポート

また、保健師は産業医と違い、「傾聴」と「共感」をベースとした対応が多く、従業員が心を開きやすいのが特徴です。そのため、メンタル不調の早期発見にも役立ちます。

面談対応のポイント:従業員・人事・管理職が知っておきたいこと

面談を効果的に活用するには、関係者の理解と協力が不可欠です。ここでは、それぞれの立場で重要なポイントを解説します。

● 従業員側:

  • 面談は「評価」ではなく「支援」のためにある
  • 不安や不調は早めに相談することが大切
  • 自分の状態を率直に話す勇気を持つ

● 人事・労務担当:

  • 面談の記録や実施スケジュールの管理を徹底
  • 面談結果に基づく職場環境の調整も重要
  • 産業医と保健師の役割を理解し適切に依頼

● 管理職:

  • 面談を受けることに対するハードルを下げる声かけ
  • 日頃から従業員の様子を観察し、変化を見逃さない
  • 保健スタッフとの連携を大切に

特に管理職の対応は、早期発見・早期対応に大きく影響します。面談を単なる「義務」として捉えず、組織の健康を守るための大切なプロセスとして積極的に関与することが求められます。

まとめ~産業医と保健師、それぞれの面談の強みを活かそう~

産業医面談と保健師面談は、目的もアプローチも異なりますが、どちらも従業員の健康支援には欠かせない仕組みです。

  • 法的判断・就業可否などが求められる場合は産業医面談
  • 気軽な相談や日常的なフォローには保健師面談

このように役割を理解して使い分けることで、企業は従業員の健康リスクを早期にキャッチし、対処することが可能になります。

さらに、両者が連携することでより精度の高い支援が実現できます。
健康経営を目指す企業にとって、この面談制度の正しい理解と活用は今後ますます重要になるでしょう。

【産業医について】

弊社はメディカルフィットネス事業と産業保健サービスを主軸にし、「健康と運動を通してたくさんの人を幸せにする」ための事業展開をしております。
厚生労働省認定のメディカルフィットネスで医学的な運動食事指導を、産業医、産業看護職、リハ職などが一つのチームとなり顧問先企業をサポートする、日本で唯一の産業保健サービスが行える企業でございます。

【代表紹介】 野呂 昇平

野呂 昇平

略歴
2013年 旭川医科大学医学部医学科卒業、医師免許取得。
脳神経外科学、救急医学をベースに大学での臨床研究や多くの手術症例を経験。
より多くの人を幸せにするため2021年2月、株式会社NoLaBoを設立。

【各種資格】

  • 救急科専門医
  • 産業衛生専攻医
  • 脳神経外科専門医
  • 脳卒中専門医
  • 脳血管内治療専門医
  • 日本医師会認定健康スポーツ医
  • 産業医
  • 労働衛生コンサルタント
  • 健康経営エキスパートアドバイザー
  • 健康運動指導士
  • 公認パーソナルトレーナー(NSCA-CSCS/CPT)

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