01.産業保健サービス導入のきっかけ

弊社は、健康事業所宣言をしていたものの、具体的な取組もなく、また、病気がちで休業をとる社員がみられることや社員の平均年齢が上がっていることなど、社員の健康に対する意識を高めることについて、会社として取り組んでいく時期にきているものと感じていました。
弊社の事業は、下水処理場や浄水場といった施設を市民のライフラインとして正常に機能させる重要な役割があり、24時間の管理体制や設備の点検など「ひと」がいなければ成り立たない業務であります。

このため、社員の健康管理は会社として大切な業務であり、健康経営の取組を始めるにあたって、まずは社員の健康状態をみていただける産業医の委嘱について考えていました。
当時、産業医委嘱を進めようとしたときに、株式会社 NoLaBo 様から営業連絡をいただき、具体的な産業医サービスの内容についてお話を聞くことができました。その後、複数の大手産業医事業者のサービス内容との比較検討を経て、弊社の状況にあったサービス内容や価格帯であったことから、2023年11月からサービスがスタートしました。

02.産業医サービスで会社が変わったこと

まず、健康診断の結果については、これまでは健診機関からの結果通知書を社員に配布することのみでありましたが、健診結果を産業医師に確認いただき、社員一人ひとりに対して具体的なコメントをいただけるようになりました。例えば、生活習慣改善のために「5kg減量すること」や「血圧管理の徹底」、「病院受診の指導」など明確なアドバイスをもらい、それを社員に産業医所見として通知することが可能となりました。この取組の結果、再検査や精密検査を積極的に受けようとする社員が増え、社員全体の健康意識が高まっていると実感しています。

さらに、ストレスチェックを通じて、社員のメンタルヘルスにも対応していただいています。
ストレスは目には見えないため、専門家の見解をいただくことで、その社員の業務を見直すなど必要な措置を実践しています。また、長期病気療養社員の復職に対しては、可能な状態かどうかを判断いただき、復職プログラム作成についても助言をいただくなど適切な対応が可能となります。社員も医師の助言・指導であれば信頼して行動に移すことが多く、双方にとって大きなメリットがあるものと感じています。

今年からインフルエンザの集団予防接種を産業医師からすすめられ実施しましたが、昨年は接種数が17人だったのに対し、今年は27人に増加しました。この結果からも健康で働くことを意識している社員が増えているものと感じています。

弊社のような24時間交代勤務の体制では、社員一人ひとりの健康管理は欠かせません。しかし、身体的、精神的な健康管理は、医学的な知見を必要とするため、社内のみで対応するには限界がある難しい分野です。
だからこそ、産業医師のように専門的かつ客観的な立場からご意見をいただけることは、会社としては非常に心強い限りです。
従業員と健康相談などに関わっていただくことや経営者からの相談、組織の仕組み作りまで幅広く対応していただくことで、組織・労務管理について適切な運用が可能となります。

03.弊社の産業保健サービスについて

“野呂先生の対応はとにかく「はやい」”
2カ月に一度の職場巡回の際には、社員との面談や健康診断のフォローアップに迅速かつ的確に対応いただくなど、様々な課題に対し具体的な助言をすぐにいただけるため、会社として迅速に対策が講じられます。
また、保健師の方も常に相談しやすい対応をしていただき、一人で考え込まずに気軽に相談できることも大きな助力になっています。

04.今後の展望

弊社の課題は、肥満、高脂血症、高血糖などのいわゆる生活習慣病の社員が多いことです。
日々の業務パフォーマンス向上のためにも、例えば万歩計を活用した楽しいイベントなど健康を意識できる取組を実施していきたいと考えています。

健康は会社からの働きかけだけではなく、社員自身の意識改革も重要です。そのため、社員の健康管理に対する意識を変える活動についても、会社がやらなければならない大切な取組のひとつであると考えています。

また、これまでの4週6休制から完全週休2日制を早期に導入するため、活発な採用活動により社員を増やすことで有給休暇取得の促進など健康面でもよい影響を与えることを期待しています。
これからも、健康管理に関わる新しい取組や仕組み作りについて検討を進めるため、産業医師からの指導助言などの産業保健サービスを活用し、社員へ健康管理に関する意識啓発を行い、社員が健康で長く働き続けられる環境を構築し、持続可能な組織となるよう会社の未来を変えていきたいと考えています。